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放課後の吸血鬼

3629:2005/06/01(水) 00:17:48
濃厚な甘い血の香に興奮して、ピチャピチャと夢中で血を啜っていると、ガラリと戸が開いた。
「ごめん、ごめん。遅くなっちった」
ショートカットの女生徒が一人、タタッと勢い良く入って来た。
アミと目が合う。一瞬、時間が凍りつく。無理もない、友人が後から蜘蛛女にギュッと抱き付かれて、チュウチュウと首筋から血を吸われているのだ。
「きゃああぁぁ…」
一呼吸置いてから叫び声を上げる口は、アミがヒュッと投じた粘つく糸で塞がれた。続いて、逃げ出さぬようにその足も、手も。あっというまにそこには恐怖に震える少女が、芋虫の様にゴロリと転がっていた。
どうやら吸血に夢中になって、人払いの結界が緩んだらしい。あるいは元から掛けそこなったか。声を聞きつけられたら厄介なので、改めて結界を張りなおす。
と、食事中の獲物がピクッと動く。
「ん…、え…? 何? え…」
今の叫び声で目を覚ましたらしい。ふと振り向いて口を朱に染めたアミと目が合う。悲鳴をあげようとしたその口も、すぐにペタリと塞がれる。続いて手足も。
「あぁらら。あなた達、運が悪いわねぇ」
恐怖に震える少女達を見下ろしながら、アミはくすくすと笑う。
少女達はもぞもぞと身をくねらせ、必死で逃れようとする。が、アミは二人をヒョイと引っ掴み、足元にドサッと放り出す。うっと、僅かに苦痛のうめき声を漏らす。
「ん、もう。逃げないでよね。お嬢ちゃんたち」
後から来たショートカットの方を糸で床に貼りつけ、血に濡れた唇をニィッと歪める。


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