したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

放課後の吸血鬼

3326:2005/06/01(水) 00:14:46
駅の手前、繁華街で美姫に追いつき、鞄を受けとる。
「先輩、何忘れたんですか?」
息を整えている魅子に、美姫は尋ねた。
「明日の事。例の目撃者の彼に、会わせて欲しいって頼んできたの」
「何でですか? 前に、あんまり顔とか知られない方がいいって、言ってませんでしたか?」
「美姫ちゃんも見たでしょ? あの似顔絵、やたらとカッコ良かったの。あれはね、真紀ちゃんが好意を持ってる証拠よ」
「え、じゃあ。先輩は、その人のこと…」
「間違い無く、ね。美姫ちゃんも経験あるでしょ。あたし達は、正体を知った上で受け入れてくれる人には、弱いって。
だから、好意的に解釈している可能性が高いわね。つまり、口が固いから大丈夫って評価もね」
美姫はその口調に、いつものキャピキャピとした雰囲気がないのに気付いた。
魅子の懸念するように、実際に美姫も、悪の妖怪から助けた相手から、迫害という形で恩を仇で返された事がある。例え、元々が親友でも、だ。
魅子は続ける。
「だから、直接会って確かめる。もし、信用できない、口の軽い人だったら…、記憶を消させてもらうわ。無理矢理にでも、ね」
きっぱりと言いきる。
「先輩、怖いですね」
美姫の声に、ちょっと怯えが混ざる。
「あぁったりまえよ〜。だ〜い好きな真紀ちゃんを守る為だも〜ん。な〜んだってするわよ」
慌てて軽い口調で誤魔化して、もちろんあなたを守る為にもね、という台詞は飲みこむ。少し喋り過ぎた。
「真紀ちゃんを好きなら、協力してよね。美姫ちゃん」
大好きな真紀先輩のため、そう言われると弱い。美姫はそれに同意した。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板