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放課後の吸血鬼

31本当の23:2005/06/01(水) 00:11:05
「えっと、お取り込み中だけど、いいかな?」
カチャカチャとカップとお皿と、ケーキの箱を載せたお盆を持って来た真紀が、美姫に助け舟を出す。
「あ、ゴメンね、美姫ちゃん。ちょっち、はしゃぎ過ぎちゃった」
魅子は、あれをちょっとと表現する。そして真紀の意図に気付いて、それ以上の追求を止める。
「魅子先輩。あんまり美姫ちゃんを、いじめないでよ。先輩と違って繊細なんだから」
「はぁ〜い。愛する真紀ちゃんが、そういうならぁ」
わざとらしく、クネッとしなを作る。生憎と、真紀並のペッタンとした胸で色気はないが。
「ありがとうございます。真紀先輩」
美姫は微かに頬を赤らめたぽーっとした様子で、助けてくれたナイトに礼を言った。
「美姫ちゃん。許してやってね。魅子先輩も、悪気があるわけじゃないんだから」
「はい、わかってます」
あんなにはしゃぐのは、あたしの笑顔と同じですから、と心のなかで付け加える。
「あ、そうそう」
魅子は思い出したように、トテトテと玄関脇に置いてあったファーストフードの袋を取りに行く。
「ケーキもいいけどさ。美姫ちゃん、学校から直行してきたなら、夕ご飯まだでしょ? 今からだと帰りは遅くなるんだから、ここで食べちゃおうよ」
そう言って、袋の中から人数分のハンバーガーセットを取り出すと、卓袱台に並べた。
ファーストフードとコンビニのサラダの夕食後、ケーキを出してお茶にする。飲み物は、美姫と魅子は紅茶――ちなみに、ティーサーバー使用――で、紅茶の嫌いな真紀はホットミルクである。
「しっかし、真紀ちゃん、物もち良いわね〜」
ふと気付いて、魅子が真紀のホットミルクの入ったマグカップを見る。
そこには、大分かすれてはいるものの、暴走族の格好とロングスカートのセーラー服の直立する二匹の猫の写真がプリントされていた。
「まあね。身軽なように、物は持たない事にしてるから、その分ある物は大事に使うんだよ」
それに、初めて買ってもらった物だし。魅子を見ながら、そう真紀は心の中で付け加えた。
そして、作戦会議が始まった。


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