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ネタバレ専用談話室

293妖怪に化かされた名無しさん:2008/07/10(木) 03:15:08
駆け寄った哲晴は、逃げた事を詫び、真紀への血の提供を申し出る。
「いいの?」「君の力になりたいんだ」今度は言えた。
蜘蛛の糸に縛られたまま、差し出された哲晴の腕に牙を立てる。
生気を吸われて脱力する哲晴。
力を得て糸を振り解く真紀。夕暮れの血色の空の下、すっくと立つ。
「ふうん。アンタだって、やっぱり血に餓えた化け物じゃない」とアミ。
哲晴をそっと抱きかかえて、安全な位置に降ろす。
アミをキッと睨みつけ、爪の生えた腕を振り上げて駆け出す真紀。
双方爪で切り結ぶ事数合、哲晴の力を受けた真紀の動きは神速、ついにアミの喉に爪が刺さる。
が、浅い。アミは素早く後ずさり体勢を整える。
爪でわき腹を抉られつつ真紀が組みつき、アミの喉の傷からその血を啜る。
振り解くものの、アミは血とともに生気を吸われて動きが鈍る。
その喉の傷を、真紀の爪が抉る。今度は深く。
喉を破られ、苦悶の表情を浮かべるアミに、真紀が囁く。
「キミ、誰かに血を分けてもらった事ある? それが、化け物のキミとボクの違いさ」
一瞬、憎悪の表情を浮かべ、崩れて血溜りと化すアミ。
消耗と負傷で、ガクリと膝を付く真紀。
血色に燃える太陽は沈み、穏やかな夜闇が空を覆う。

咳とともに、魅子の意識は闇から浮上する。
廊下に横たわった自分を、安堵の表情の美姫が見つめている。
足には、途中で焼き切れた美奈萌の髪が巻き付いていた。
浮かび上がった魅子を、真紀が人口呼吸で助けたのだった。
「ありがとう、美姫ちゃん。あ、ファーストキスもらっちゃったね」
「ふざけないで下さい。というか、唇を舐めないで下さい」
美姫の左腕の怪我に気づき、魅子は悲鳴を上げる。
「大丈夫ですよ。これくらいの無茶だったら、妖怪なんだから元に戻りますよ」
「デッドの影響ね」
「それより真紀先輩を助けに行かないと」
「大丈夫よ。もう終わってるから。二人とも無事よ」


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