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●おまえら男ならヒカルたんハァハァだよな?Part47○

149パッチワーク 2036.9.13 あかり:2006/11/06(月) 22:38:55
2036.9.13 あかり

 玄関を開けたとたん私を出迎えてくれたのは昨日までと変わらず甘い香りだった。この香りに出迎えられるようになって一週間、そしてきっとあと一週間はこの甘い香りは続く。買ってきたものを仕舞おうと台所へ向かう途中に娘の、暁子用の台所をのぞいてみると暁子が真剣な顔でオーブンをのぞいている。この台所は暁子が調理師学校に入学した当初に家の台所で授業の復習をしていて夕飯の準備をしたい私とぶつかってしまったの知ったヒカルが作らせたものだ。アキラさんは甘やかしすぎだとヒカルを止めようとしたら逆にヒカルに暁子はプロの調理師目指しているんだから自分用の道具を持ってもいいじゃないか。俺たちが自分用の碁盤を持つようなもんじゃないのか。と言ったら素直に納得してしまった。

 私はちょっと甘やかしすぎとも思ったけれど仕事から帰ってすぐ夕飯の支度に取りかかれるのでたすかった面もある。けれど暁子が目指しているのはプロの調理師じゃなくてヒカルの調理師なのよね。私も研鑽を積まなくては。

 壁のホワイトボードにヒカルそっくりの字で作りながら気がついたらしいことが色々書かれている。見た目は父親のアキラさんそっくなのに小さい頃からすることなすことヒカルそっくりの娘だと思う。

 食卓の上にアキラさんそっくりの綺麗な字で「お兄ちゃんのところへ行きます」と彩子と雪彦の連名でメモがのっていた。こちらの娘は見た目がヒカルで中身がアキラさんだ。連日のこの香りに我慢できず隣のマンションの兄夫婦のところへ避難したのだろう。わたしも着替えてさっさと夕飯を作ってしまいましょう。

 夕飯を作っているとヒカル、続いてアキラさんが帰ってきた。アキラさんの手元には今日もケーキの箱が。これも一週間連続。ヒカルに食べさせて今のお気に入りを探ろうというのがアキラさんの作戦。それは暁子も同じ。この二人、対ヒカルに関しては同じ行動を取る傾向がある。でもアキラさんは多分今日が最後。ヒカルの最近のお気に入りのこのお店、オーダーメードのケーキの注文は五日前まで。つまり9月19日受け取り分の注文は明日が締め切り。暁子は自分で作るメリットを生かして21日の当日まで試行錯誤。

 ヒカルの誕生日の20日はヒカルの一番のお気に入り地元の「風花堂」のバースデーケーキなのは変えられない。風花堂はこれまでイチゴショートヒカルスペシャルを作ってくれたおじさんが今年80歳になったからと引退、これまで銀座のお店にいた私たちが朋お兄ちゃんとよんでいる55歳の息子さんが地元に戻ってきた。銀座のお店は朋お兄ちゃんの息子で去年までヨーロッパで修行していた淳也君が引き継いだ。

 ヒカルの一歳の誕生日におばさんは普通のバースデーケーキを頼んだのに風花堂のおじさんはヒカルのためにと前日お店を休んで銀座の果物店まで最高級のイチゴを買いに行き、普通のスポンジケーキ2段のはずがチョコスポンジをはさんだ4段重ね。クリームも特別に取り寄せた最高級品のヒカルスペシャルを渡されたのに代金は普通のバースデーケーキと同じしか受けとらなくて、そのあとも普通のとたのんでもヒカルスペシャルを用意してあって、申し訳なく思ったおばさんがヒカルの5歳の誕生日に他のお店に頼んだら風花堂のおばさんがヒカルスペシャルを当日代金はいいからと届けに来たそうだ。それ以来ヒカルのバースデーケーキは風花堂のイチゴショートだったけれど今年は普通のに変わるだろうと思っていたら昨日道ですれ違った淳也君がおじさんと朋お兄ちゃんがどちらがイチゴを買いに行くかで親子げんかしてたって笑いながら教えてくれた。


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