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●おまえら男ならヒカルたんハァハァだよな?Part47○

126パッチワーク 2016明子 その3:2004/07/31(土) 06:19
 その進藤君が結婚するというのは夫を訪ねてきた森下さんに進藤君への結婚
のお祝いに何をあげるか相談されて知った。しかも来月には子供が産まれると
のことだった。逆算して、では入院したときには既に進藤君の結婚は決まって
いたのかと、森下さんの結婚を知ったときの夫のことが頭をよぎった。食事を
することができなくなり痩せて行く夫に対して小学生だった私は何もできずに
いた。使用人からの連絡で夫のことを知った熊田家の人々が助けてくれなけれ
ば、私は最後に残された唯一の家族である夫を失っていたかもしれない。その
夫の姿と入院中のアキラの姿がだぶった。

 私はお世話になった方々へのお礼の品を用意するのに最近の東京には疎いか
ら手伝って欲しいとアキラを呼びだした。アキラは東京に戻ったときよりも顔
色もよく、体重も増えたようだった。私は幾分かホッとした。
 
 買い物が一段落し遅い昼食を取ることにした。友人に勧められた店は幸い個
室が空いていた。進藤君の結婚のことを訊ねるとあっさりと肯定した。相手の
方は前に流産したことがあるので無理をさせたくないから手伝ってくれと進藤
君に頼まれ、今は進藤君のご両親のお宅で三人で暮らしていて、子供が産まれ
てからも子供の世話で手一杯になってしまうだろうから当分はこの状態が続く
とのことだった。「じゃぁ、進藤君は新宿でアキラさんと暮らしていた頃から
その方とおつきあいしていたの。」「プロになる前からですよ。幼稚園から中
学まで同級生だったそうですよ。」「筒井筒なのね」「なんですか?」「伊勢
物語にあるのよ、幼なじみが恋人になることよ。」「お父さんとお母さんもそ
うですね。」「違うわよ、私が物心ついた頃にはお父さんはもうタイトルを持
っていらしたもの」もし姉が生きていて夫と結婚していたら筒井筒と言われた
だろう。夫とは十五歳、姉とは十歳離れている私はいつもみそっかすで疎外感
を感じていた。


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