したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

456盤上の月2(20) ◆RA.QypifAg:2012/06/10(日) 01:33:14

「ええ、そうなの?
オレはてっきり緒方さんが珍しく奢ってくれると思って、沢山食べるために来たんだけどな」
「芦原、いっぱい食え。豚のようにな」
「うわあ〜、ひっどいッスよ〜、緒方さ〜ん!」
芦原の横で声を出さずに肩を小刻みに揺らして笑うアキラを見て、緒方は重々しい口調で語り出した。
「アキラ君は、ニュースで新しい内閣が出来たことを知っているだろ?」
「ええ、青木さんですよね。新しい総理大臣になったのは。
お父さんが時々、指導碁へ行っていた方です。ちょっと驚きましたけど。
かなり前だけど、ボクの家にも来られたことがあったので覚えてます」
「あ〜、そういえば塔矢先生が指導碁していた数少ない人でしたよね。
塔矢先生は碁の勉強時間を削るのが嫌で、極力指導碁を断っていたけど、青木さんはさすがに断れなか
ったって言ってましたね。政界関係者は難しいですよね。あっ、この煮物追加でお願いします」
芦原は皿を下げにきた店員に追加物を頼みながら、緒方の話題に口をはさむ。
「誠実な感じがする人と記憶してますね。碁がとても好きだから、お父さんとも気が合ったようです。
それにお父さんがタイトル戦防衛したり、国際棋戦で勝つと、必ず贈答品を送ってくれてました」
烏龍茶を飲みながら、アキラは緒方に覚えていることを伝える。
「……オレの勘ぐり過ぎならいいのだが、もしかしたらこの青木氏の指導碁の依頼がキミへ来るかも
しれん」
「えっ?」
意外そうな表情をアキラは緒方にあらわにした。
「アキラにですか。どうして?
塔矢先生の息子だから親近感がわくのかな。それとも他に指導碁で気に入る人がいないからか?」
「指導碁だけならいいんだがな………。
まあしばらくは政局で忙しくて碁など打っている暇なぞないだろうがな……」
「ボクもお父さんと一緒で、極力指導碁はお断りしているんですよ。
やはり勉強時間が少なくなってしまうのが嫌で……」
「でもさあ、政治家の指導碁って、破格の料金って聞くぞ」
「だがな、日本の棋士が世界に通用しないのは、指導碁で食べていけるのも原因だと思うぞ。
棋戦で勝ってこそがプロだろ」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板