したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

453盤上の月2(16) ◆RA.QypifAg:2012/06/10(日) 01:27:57

アキラは夕暮れを過ぎた頃、都内の自然が多い場所にある料亭へと向かっていた。
道の街路樹は桜並木になっていて、夜桜を楽しむ人が多く賑わっている。待ち合わせの料亭に入ると、
着物を纏った店員が個室へとアキラを案内する。
案内された個室は和室の畳部屋で、緒方と芦原が座椅子に座って夕食を兼ねた宴会をすでに始めていた。
窓からは日本庭園が見え、獅子威しが時々辺りに低く鳴り響いている。
「おっ、アキラ来たか! 先に始めてるぞ〜」
ほろ酔い気分の芦原が、グラスを右手に持ってアキラへと声をかける。
「アキラくん、久しぶりだな」
緒方も酒が入り、やや上機嫌になっている。
「遅くなりすみません、でももう2人とも出来上がってませんか?」
クスクス笑いながらアキラは席へと腰を下ろす。
「こんなの酔ったうちにはいらないよアキラ。オマエが来たから刺身持ってきてもらうかな」
芦原は部屋にある電話で注文をしていると、「芦原、これ追加な」と緒方がグラスを手にして左右に揺
らす。
「はいはい、今頼みますよ。アキラは何飲む?」
「じゃあ烏龍茶を」
おしぼりで手を拭きながらアキラは答える。
「ここの料亭は久しぶりですね。半年前に両親と来た以来かな」
「オレはこんな高いところ、緒方さんの奢りでなきゃ来ないぞ………っという訳で、緒方さん。
今日は好きなモン頼んじゃいますけどいいですか?」
「ああわかったよ、好きなだけ食って飲め。アキラ君も好きなもの頼めよ」
「はい緒方さん、ありがとうございます」
アキラは緒方へ頭を下げた。序列が高く活躍している棋士が食事等の料金を支払うことが、棋院の暗黙
の規律となっているため、3人の中で緒方が支払うのはごく当然の流れだった。
しばらくすると店員が刺身や天ぷら等を運んできた。
「ここの天ぷらが絶品なんだ。あと椀物も最高だな」
緒方は揚げたての天ぷらに荒塩をまぶして口に入れる。
「うん、うまい」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板