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プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

450盤上の月2(14) ◆RA.QypifAg:2012/06/03(日) 02:28:07

緒方だった。煙草を吸いながら緒方の視線は、ゆっくりと桑原の方へ移動する。
「おお緒方君じゃないか。調子はどうじゃ」
「……またリーグ戦で再度挑戦権を取りますよ」
無表情で緒方は、ぼそりと話す。
緒方は前回の本因坊戦の挑戦資格を取得して桑原に挑んだがタイトル奪取を逃し、桑原の本因坊防衛成
功を重ねる結果となった。
―――この老いぼれジジイ。タイトル死守しないで、年寄りらしく若手に早く寄越しやがれっ!
緒方は心の中で、桑原に悪態をつく。
「ひょっひょっひょっ、ワシはいつでも待っておるぞ緒方君。
………そうだオマエさん、佐賀理事長から何か話を受けんかったか?」
「………桑原先生はどうなんですか」
緒方は相変わらず無表情で、桑原を見ないで話す。
「ワシは経営が困難だから協力してくれと頼まれた」
「……………」
無言で煙草を灰皿内で消して、初めて桑原の方へ緒方は体ごと向けた。緒方の顔はやや強張っている。
「やはりオマエさんも同じか。よほど経営は苦しいのだな……」
ちょうどそこへ棋院の職員が手に新聞を持ちながら、喫煙室へ入ってきた。
「あっ、桑原先生に緒方先生、お話中に失礼します」
ドアの外で他の職員達の声がざわめき騒がしいのが、室内にいる緒方と桑原にもわかった。
「何かあったのですか」
緒方が棋院職員へ聞くと、「新内閣が誕生したんですよっ!」と棋院職員はやや興奮気味にやや早口で
話す。
「ほう……、で、今度の内閣総理大臣は誰なんです?」
緒方は再び煙草を出して口に加え、ライターの火をつけながら棋院職員へ訊ねる。
「新国潮党の青木久治氏です。この人、囲碁愛好家で、すごく有名なんですよっ」
「おっ、今度の総理は囲碁好きか。これは普及に役立ちそうだの」
棋院職員の説明に、桑原が食いつく。


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