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プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

432戻り花火 ◆pGG800glzo:2008/12/15(月) 23:43:11
(104)
ヒカルは一言も声を発さなかった。
声を発さないまま、頬は涙で濡れていた。
「――この数日のこと、オレ一生忘れへん」
言い切った社の声にはきっぱりとした響きがあった。
「何年か何十年か後、塔矢がたとえ誰を選んだとしても・・・
この家で塔矢と、進藤と暮らした数日はオレが今まで生きた中で一番大切な思い出で、
それはオレが死ぬまで一生変わらへん。だから・・・・・・ありがとう。
二人とも、ほんまに感謝してる。・・・・・・ってことをな。一人言で言っときたかったんや」
最後に照れ隠しのように付け加えて、ゴソゴソ布団を被り直す音が響いたかと思うと、
それきり社の布団からは規則正しい吐息しか聞こえなくなった。
ヒカルは声を立てないように泣いた。
目の前の布団から覗いているアキラの髪は、ヒカルが見ている間夜明けまで一度も、
僅かたりとも動くことはなかった。
もしかしたら、アキラもあの時泣いていたのかもしれないと後で思った。


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