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プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

431戻り花火 ◆pGG800glzo:2008/12/15(月) 23:42:18
(103)
布団に横たわったままヒカルはぎゅっと拳を握り、目を閉じた。
自分がアキラと社の想いに気づいたように、社も自分の想いに気づいていたに違いない。
この数日間同じ屋根の下で、互いが互いの視線の先にあるものを知りながら、
それを口にするのを避けていた。
三人で過ごす、この楽しい夢のような一時を壊したくなかったから。
一つ何かを間違えば、たちどころに均衡を失い崩れてしまうだろうこの生活を
それでも守り抜きたいと、誰もが願っていたから。
けれども皆が自身の想いを押し殺してまで保とうとしたその素晴らしい時間は、
最後の夜に崩壊したのだ。・・・最悪の形で。

逡巡するような間を置いてから、社が再び切り出した。
「・・・・・・進藤は・・・塔矢とオレが二人でいた時の会話、聞いてたんやったな。
でも多分、全部は聞いてへんのやろ。だから少し誤解しとんのやと思う」
――誤解?
ヒカルは薄く目を開いた。
確かにあの時、二人の会話を最初から全て聞いたわけではない。
だが、誤解も何も、自分があの時見た光景。
社がアキラを抱き締め、アキラもそれを拒まなかった。それが全てではないのか?
だからこそ――だからこそ自分は絶望し、怒りに任せ、アキラを傷つけてやろうと思ったのだ。

背後で社の声が躊躇いがちに告げた。
「あん時、オレが塔矢に自分の気持ち伝えたんはホントのことや。
アンタのことが好きやて、そう言うた。・・・・・・けど、本当言うと塔矢はあん時、
OKしてくれたわけやないんや。も少し考えさせて欲しい、て。
オレのこと気になっとるけど、自分には他にも好きな相手がいるから、今は答え出されへん。
ちゃんと答えを出せるのは何年も先になるかも分からへんし、
その時どっちを選ぶか約束も出来ひんけど、それでもエエなら待ってて欲しい、て。
そういう返事やったんや。・・・その相手ゆうのが誰なのか塔矢は教えてくれんかったけど、
オレには進藤のことやて、何となくわかってた。せやからオレ、いつまででも待つて、
その間に碁の腕磨いて、塔矢に認めてもらえる男になれるよう頑張るて、そう答えたんや」


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