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プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

414小花恋唄 ◆pGG800glzo:2008/06/24(火) 21:40:39
(85)
「・・・筒井さん、元気になって戻ってくるよな?」
そんなことを聞いてもどうにもならないことは分かっている。
ただ誰かに、筒井は必ず戻ってくると、また皆で冒険する日々が返ってくるのだと
嘘でもいいから保証して欲しかった。しかし加賀は素っ気なく答えた。
「さぁな。オレだって医者じゃないのに分かるか、そんなもん。・・・けどよ」
「?」
見上げたヒカルに向かって白い歯を見せ、加賀は笑った。
「さっきのアレで、あいつもちょっとは発破かけられたんじゃねェか?
あいつ最近、自分はもう死ぬもんだと思って半分諦めてるような節があったけどよ。
惚れた女を待たせてると思えば勇気も出る。希望も湧く。
結果がどうなるかはお釈迦様しか知らねェが、筒井は全力で病気と闘うと思うぜ。
オレはそう信じてる」
「・・・・・・うん。うん、加賀。そうだよな!」
加賀の言う通り、結果がどうなるかは分からない。けれどもこの数十日の間に
死への抵抗を止めて酷く透明になってしまったような筒井が、
もう一度生きる意欲を取り戻し果敢に病に立ち向かってくれるなら、
それは彼の親友として応援すべきことなのだろう。

「加賀はやっぱり凄いや。オレたちの中で一番大人だよな」
ヒカルが誉めると、加賀は「へっ。よせよ」と満更でもなさそうに鼻の下を掻いてから、
ふと真顔になった。
「ま、実際オレは進藤たちより年食ってっからな。今まではオマエらの兄貴みたいなつもりで
面倒見てきたが・・・卒業したらそうもいかなくなる。今のうちにオマエらもしっかりしとけよ」
「う・・・うん。そうだよな。卒業したらみんな進路は別々だろうし」
予期していることだったが、面と向かって釘を刺されるとやはり寂しい。
夕闇の道をてくてくとしばらく無言で歩いてから、ヒカルは聞いてみることにした。
「そう言えば、まだ聞いてなかったよな。加賀は卒業したらどうするんだ?」
「オレか?オレは・・・オレも、筒井と同じでこの町を出て行く。伯父さん夫婦の養子になって
商売継ぐことになったんだ」
「ええっ!?」
思わず歩みを止めた。


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