したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

402探偵妄想 ◆pGG800glzo:2007/09/02(日) 22:07:36
(108)
「恐らくそうだと思います」とアキラは頷いた。
「犯人は物置部屋に身を潜め、一階の人通りが絶えるのを待っていたのでしょう。
けれどそこで、思わぬ事態が起こりました。犯人が潜んでいる物置に、
他の人がやって来たのです」
「それが、伊角様と私・・・ですか」
管理人の男が硬い表情で呟く。
「そうです。犯人は、かなり焦ったことでしょう。しかし幸いにと言うべきか、
物置には彼が咄嗟に身を隠すことのできる死角が存在しました。
・・・さっきボクと物置を見に行った方はご覧になったと思いますが、
あの物置の入り口からちょっと離れた所に、木箱や段ボール箱が大量に
積まれていましたね?」
「ああ――あったあった。横に長く積まれていたせいか、
ちょっとした堡塁みたいな印象を受けたな」
楊海が手を打って頷く。
「そう、それです。あの陰になら、大人が一人、十分隠れられます」

「つまり伊角さんと管理人さんは――箱の後ろで犯人が息を殺してるすぐ横を通って、
物置の奥の洗い場へ向かったってのか!?スゲェ!」
ヒカルが興奮して指を鳴らしたが、伊角は貧血寸前のような顔色になっている。
「そんな・・・それじゃあ、もしオレたちがその場で犯人に気づいていたら・・・
オレも管理人さんも、大型の高枝鋏で襲われてたってことに・・・?」
アキラは少し考えてから、首を横に振った。
「いいえ。・・・それはないと思います。だって伊角さん、
あなた方が物置のドアを開けた時、中の電気は点いていましたか?」
「それは・・・点いてなかったよ。オレたちが点けて、そのまま洗い場へ向かったんだ」
アキラはにっこりと微笑んだ。
「そうでしょうね。折角物置に隠れたのに、電気を点けていては
ドアの隙間から洩れる明かりで、中に人がいると気づかれてしまいますから。
・・・つまり伊角さんたちがやって来て電気を点けるまで、彼は暗闇の中にいて、
物置の中を見渡すことは出来なかった。伊角さんたちが彼とすれ違った時点では、
彼はまだ高枝鋏を手にしていなかったと考えて良いでしょう」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板