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プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

401探偵妄想 ◆pGG800glzo:2007/07/15(日) 21:33:02
(91)
「あ、その袋は・・・」
アキラたちには見覚えがあった。伊角が常備薬などを入れて持ち歩いていたものだ。
伊角が膝の上で布袋を引っ繰り返して振ると、錠剤や粉薬、虫除けなどが
バラバラと落ちてきた。その中から一つ、伊角がつまみ上げたのは、
縁がギザギザになっている透明な四角い小袋だった。既に開封済みで、
袋の内部には白い粉薬の名残りが僅かに残っている。
「これは・・・?」
「皆さんで確かめて下さい」
伊角に言われて袋を受け取り、印刷されている文字を読んだ芹澤が言った。
「うむ、どうやらこれは・・・睡眠薬のようですね」
「睡眠薬?」
皆の目が伊角に向くと、伊角はこっくりと頷いた。
「そう――オレ、結構神経質で、悩み事があるとよく眠れなくなるから、
軽い睡眠薬を病院で処方してもらって、泊まりの時はいつも持ち歩いてるんです。
オレはその薬をGGレモンに入れて、進藤を眠らせようとしたんです」

しばらく沈黙が続いた後、ヒカルがやっと声を発した。
「・・・・・・なんで?伊角さん、どうしてオレにそんな薬を・・・」
「進藤、オレはおまえが・・・・・・妬ましかったんだ」
穏やかな伊角の声が震えている。閉じた目から新しい涙が落ちる。
「このパーティーに招待された時・・・オレは一つ、小さな期待をした。
それは、一晩同じ屋敷で過ごす間に、オレもあの塔矢アキラと
打てるんじゃないかって期待だった。――塔矢、パーティーの時おまえに言ったな。
おまえはオレたちの世代じゃ、いつだって特別な存在だったと・・・」
伊角と目が合った。アキラは華やかな夜の記憶を思い起こしながら、静かに頷いた。
「オレはこの機会にと、塔矢に対局を申し込もうとした。なのに、話の途中で
進藤が割り込んできて・・・オレの目の前で、怒った塔矢は進藤に徹夜碁を申し出た。
進藤はいつも塔矢を独り占めしているのに、こんな時まで・・・!そう思ったら、
自分の中の醜い感情がどんどん膨らんできて・・・進藤専用のGGレモンの話を聞いた時、
上手くすれば進藤を眠らせてオレが塔矢と打てるかもしれないと思ってしまったんだ」
淡々と語っていた伊角の喉から、やがて絞り出すような嗚咽の音が迸った。


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