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プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

389探偵妄想 ◆pGG800glzo:2007/06/23(土) 18:43:17
(79)
「オレは確かに伊角くんを指すつもりでこのメッセージを書いた。だが――
勘違い、だったんだ。さっきも言ったが・・・」
「勘違いだって?」
倉田が素っ頓狂な声をあげる。楊海は頷き、言葉を続けた。
「あの時、この厨房には廊下の明かりが差し込んでいた。でも相手を見るのに
十分な明るさだったって訳じゃないし、物の陰になって見えない暗がりも多かった。
実を言うと、相手の顔をはっきり見てはいないんだ。ただ、背格好が
伊角くんに似て見えたから、あの時は咄嗟にそう書き残してしまった。
でも意識を失う間際に、やはり違う――彼ではない、と思い直したんだ」
「だから目が覚めた時、楊海さんは急いで伊角さんを示す暗号を消そうとしたんだな」
ヒカルの言葉に楊海は「ああ」と頷き、厨房の隅で項垂れている伊角へと目を遣った。
「厨房は真っ暗で何も見えなかったと嘘を吐いたのも、
オレが一瞬とは言え伊角くんを疑っちまったことを彼に知られたくなかったからだ。
長い付き合いなのに、キミを疑ったりして・・・済まなかった!!伊角くん」

楊海が頭を下げると、伊角は肩をビクッと動かし、泣き出しそうな顔になった。
「や・・・・・・楊海さん・・・」
「オレが目を覚まさなかったら、このメッセージのせいでキミは本当に
犯人扱いされていたかもしれない。そんなことになったら、オレはキミに悪くて
死んでも死に切れないところだ。・・・それこそ、幽霊になって化けて出てたかもな」
「楊海さん・・・オレは・・・」
言葉を詰まらせて顔を歪める伊角に代わって、アキラが問う。
「・・・・・・楊海さん。何故、相手が伊角さんではないと思い直したのか、
その理由を聞かせていただけませんか?」
「ん?あぁ。だって、伊角くんには絶対できない犯行があっただろ?
そう・・・緒方先生が悪漢に襲われて怪我をした事件。緒方先生の悲鳴が聞こえたあの時、
伊角くんはオレたちと一緒に、この厨房に揃っていたじゃないか」
「あっ、そうです!それにこの厨房が荒らされた時も、
伊角様は直前まで私と行動を共にして、片づけを手伝って下さっていました。
厨房を荒らすことも、伊角様には不可能だったはずですよ!」
管理人の男も楊海に同意して手を打った。


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