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プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

380探偵妄想 ◆pGG800glzo:2007/06/10(日) 19:32:36
(72)
「た・・・確かに塔矢の言う通りだよなァ。おい楊海!どーいうことだ?」
「・・・それは・・・」
倉田に問われて、楊海が語尾を詰まらせる。アキラは小さく息を吐いて言った。
「倉田さん、ボクが代わりに答えましょう。・・・ボクの推測が正しければ、
楊海さんがこの厨房に飛び込んだ時、室内には廊下からの明かりが差し込んでいました。
なのに楊海さんは、厨房の中が真っ暗だったと言う。何故か?
考えられる理由は一つです。――楊海さん、あなたは何かを隠していますね」
楊海は答えなかったが、その肩がぴくりと揺れた。
「明かりのあった厨房を、真っ暗だったと言い張る理由――それは、
そこであなたが見たものを追及されないようにするためだったのじゃありませんか」
楊海はしばらく無言のまま俯いていたが、やがて「ふう」と鼻で笑って頭を振った。
「やれやれ、オレが何を隠してるって?・・・塔矢くん、キミの推理は確かに
当たっているよ。ただし、半分だけな」
「半分だけ・・・?」

楊海は開き直ったように胡坐をかいて腕を組んだ。
「キミの言う通り、オレはドアを全開にしてこの厨房に飛び込んださ。
しかし、勢いよくドアを開けた反動か、それとも元々ストッパーを当てないと
閉じてしまうタイプのドアなのか・・・オレが厨房に入ってすぐ、
ドアはひとりでに閉まってしまったんだ。だからキミの推理も正しいし、
オレが部屋は真っ暗だったと言うのも正しい。どうだい、矛盾しないだろう」
「・・・・・・」
アキラはしばし楊海と見つめ合った後、首を横に振った。
「・・・いいえ。それはやはりおかしいのです。だって、もしあなたがこの厨房に
飛び込んでから失神するまでの間、室内がずっと真っ暗だったとするならば――
何故あなたは、その床にあるメッセージのことを知っていたのですか!」
「・・・・・・!!」
「あっ、そうや・・・」
「楊海さん、さっきあの文字を慌てて消そうとしたんだよな・・・」
囁き交わす声が広がる中、楊海はその目に走る動揺を隠すように、顔を伏せた。


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