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プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

352断点5.5 </b><font color=#FF0000>(b71tdwpI)</font><b>:2004/08/19(木) 21:12
ならばあれがキミとボクとの初対局だったのか?
あれから何度も打った。キミの棋譜もいくつもいくつも見せてもらった。
出来るはずがなかったのに。
彼を忘れるなんて。なかったことにするなんて。彼から離れるなんて。
「なぜ…?」
頭の中にいくつもの棋譜がよみがえる。
初めて出会ったときの進藤ヒカルと彼の――saiの棋譜。
二度目の対局。
入学前に海王中に行った時に偶然見た美しい棋譜。
一番忘れたい、忘れてしまいたい対局だったのに、それでも忘れる事ができなかった。
いつまでもボクの中に残って、いつまでもボクを苦しめ続けた。
けれどここにいるのは進藤ヒカル。
saiではなく。

saiはもういない。
いないのだろう。彼がそう言うのだから。
それでも。

「打とう、」
思うよりも先に言葉が転がり落ちた。
「もう一度、ボクと打ってくれないか、進藤。」
ボクの言葉に、ゆっくりと彼は顔を上げ、不安そうな目でボクを見上げる。
「オレで……いいのか?」
ああ。そうだ。キミだ。
「ここにいるのはキミだろう。saiじゃない。
そうだ。キミと打ちたいんだ。saiじゃなくて、進藤ヒカル、キミと。」
そしてボク達はもう一度、盤を挟んで椅子に座り、頭を下げて、打ち始める。
今まで何度となく、ここで打ってきたように。
そしてきっと、これからもずっと、ボクと彼とはこうして打っていくのだろう。
打ち続けるのだろう。
それは確信だった。


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