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プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!
341
:
裏失楽園
:2004/06/03(木) 22:19
「リッチマンは違うよなあ…」
ボクの陰で進藤が呟く。まったくそのとおりだとボクは心の中で頷いた。
何もそこまでしなくても、と当事者のボクだって思う。緒方さんは何事にも大袈裟なのだ。
「……そんな風に浮かれてキミを迎える万全の準備をしていたのに、キミはオレに相談もなく、
アパートを決めてきたんだったな。それを何故か市河さん経由で聞かなければならなかった
オレの気持ちがわかるか?」
「なんとなく…」
果てしなく責めるような口調だった。しかし、それに反論する気は起きなかった。
アパートを探しているときには既に、進藤に対して一時期の気の迷いとは言い切れないほど
の複雑な感情を抱いていたのはまぎれもない事実だったからだ。
抱かれる立場しか経験のなかったボクが初めて感じた感情。
ボクの性は(多少歪んでいたとしても)あくまでも”男”だった。誰かを征服したい、独占
したい――その気持ちの発露は進藤との対局において最も顕著に現れ、必ず経験しなければ
ならない種類のものだった。そしてその相手は緒方さんではあり得なかった。
緒方さん以外の相手に対して、緒方さんから教えられた手管を使う。
それが彼に対しての裏切りであることは明らかだったし、緒方さんや両親の気配が色濃く残る
実家でことに及ぶのは流石に憚られた。それは進藤とて同じだろう。
できれば知られずに進藤と二人だけの時間を過ごしたかったのだ。
「頭をガツンとやられたような気がした。…心臓が、止まるかと思った。愛しているのは――
恋愛をしているつもりだったのは、オレだけだったのかと」
――彼ははっきりとこう言った。『他人と使ったベッド』と。
その意味が示すように緒方さんは平気で他人をベッドに上げるような最低な人間だったし、
独占欲や嫉妬を表すような人でもなかったはずだ。そのプライドの高い、それこそボクよりも
ずっと誇り高い彼がここまで自分を曝け出している。
それは格好いいとは言えるものではなかったが、彼を軽蔑できるようなものでもなかった。
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