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:
月の船(5) </b><font color=#FF0000>(.QypifAg)</font><b>
:2003/11/03(月) 20:45
《蘇芳―すおう―》
明が館に入るとすぐに空は光を閉ざし、闇が広がった。
寒さが厳しくなると共に夜空には満天の星が姿を見せ輝き始めた。
明は館の母屋で畳に座り脇息に寄りかかると、思わず深い溜息をついた。
──近衛に会いたい・・・・・・・。
陰陽師として生きてきた明は、様々な事柄を見てきた。
実の親子が地位や金の為に、骨肉の争いを起こし死ぬほど憎しみあったり、
目障りな人物の呪殺依頼されたりと、目を覆いたくなるような人の
あらゆる醜い影に多く関わってきた。
そんな殺伐とした世界にいる明は、近衛──光の裏表のない率直で素朴な
人柄に惹かれた。喜怒哀楽を包み隠さない自然体な光といる時が、明の
唯一心潤う安らぎでもあった。
闇夜が深くなるつれに冷えゆく夜気とは反対に、明は一人高灯台の
薄明かりの中、身悶え、体を熱くする。
明は苦悩していた。
光を瞼に思い浮かべるとすぐさま襲いかかる憂い。
切なさで胸がつまり、息をするのも苦を招くこの想いがいったい何なのか
と。帝からの信頼も厚く、平安京一の天才と謳われるこの歳若い陰陽師の
致命的な弱点は、己の心を操るのが不得手な事だった。
深々と闇が濃くなのると同調するかのように、明の心を巣食う闇もより
いっそうその色合いを強めていく。
そんな明の心内を知ってか知らずか、月は穏やかに光を放ち、天心へと
昇っていった。
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