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プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

219トーヤアキラの翌朝:2003/09/05(金) 18:35
(5)
「う、うん・・・・じゃ着てみる」
そう言って渋々ポロシャツを首から通して腕を出すと恥ずかしそうにヒカルの顔を見た。
「・・・似あうかな・・・」
「おっし!似合う似合う!いつもとはまた違った塔矢って感じでいいぞ!」
その言葉にアキラは嬉しそうに微笑んでヒカルを見た。
この笑顔にヒカルが弱いことをアキラは十分知っている。
アキラの顔を食い入るように見詰めていたヒカルが、我に返ったように言う、
「塔矢は本当に綺麗だな・・・その笑顔、外ではすんなよ!本当にさ、もう」
「キミこそそんな風に他の人を見詰めないで欲しい」
「ばーっか!お前だから見惚れてるんじゃないか!」
「ボクだってキミだから笑顔になれるんだよ」
2人はじゃれあいながら玄関に向かって歩き始める。

五月の風は乾燥していて爽やかで肌に心地良い。
駅まで歩きながら、アキラは何度と無くその風を胸一杯に吸い込んだ。
ヒカルと一緒に歩くであろうこれからの道のり、そして一緒に受けるであろう様々な
種類の風、それらがどんな物であるのかは分からないが、今ここに居るヒカルとならば
どんな風が吹いて来ようとも乗り越えられる気がする。
ゆるぎない太い絆を決して離すまい、とアキラは思う。
どの様な未来が待っていようとも決してヒカルを失いたくない、もしその時が来ると
すれば、それはどちらかが天国に召される時しかない、とアキラは心底思った。

アキラは隣を歩くヒカルを見ながらそっと手を取った。
それに応えるようにヒカルもアキラの手をきつく握り返してきた。
前を見詰めて歩く二人に髪が跳ね上がる程の強い風が一瞬吹き抜けた。

                完


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