[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
1001-
1101-
1201-
1301-
1401-
1501-
1601-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
魔境避難所
92
:
平安幻想異聞録-異聞-<駒競></b><font color=#FF0000>(gpGbHIKA)</font><b>
:2002/08/31(土) 11:51
「うわっ!すごい!氷じゃん!」
予想通りのヒカルの反応に、佐為が目を細めた。この暑いさかりに氷菓子。並の貴族
では手に入らない高価な贅沢品だ。さらに駄目押しと、佐為が三つ目の皿の中の透明な
とろりとした液体をそれにかけた。
「何?」
興味津々にヒカルが訪ねる。
「甘葛の蜜ですよ」
「うぇっ!」
佐為の口からでた、これまた高級甘味の名に、ヒカルが変な声を上げて後づさった。
予想以上の反応に、してやったりと佐為が声をあげて笑う。ヒカルの驚く顔が見たくて、
そして喜ぶ顔が見たくてこれを出してきたのだ。
「どうしたんだよ、これ」
「先日、大納言藤原光明殿より請われて、指導碁をさせていただいたのですよ。
甲斐あって、長年の碁敵に勝つことが出来たとか。これはその礼として、光明殿より
届けられたのです」
「へー」
とりあえず、ヒカルはキラキラと陽光に光る氷の乗った皿を取り、目の高さまで
掲げ上げ、それを四方から眺めてみる。
「ははっ。顔近づけただけで、ひんやりするよ」
小さいが綺麗に手入れされた中庭を望む簀子に二人、肩を並べてちょこんと腰かけ、
珍しい甘味を楽しむ。
「甘いなぁ」
ヒカルがしみじみと口にする。
「でも、世の中にはもっと、甘くておいしいものもありますよ」
「そうなの?佐為、食ったことある?」
「もちろん」
そう言った佐為の手が、まだ氷の残る皿を下において、ヒカルの顎にかけられた。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板