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魔境避難所

560</b><font color=#FF0000>(A8qNt5N2)</font><b>:2002/11/19(火) 04:06
「……っ、んぅ…っっ!」
温かい舌の感触に意識が融解しそうになった頃、漸く彼は力一杯抵抗し始めた。
だが今更もう遅い。
逃がす気なんて無い。
どこの家のだか知らないブロック塀に一回り小さな身体を手首を持って押さえ付け、何
度も角度を変えてはその柔らかい唇を貪る。
「うぅ、ん………、っ」
「っつ……!」
口の中にどろりと生暖かいものが広がった。
そして微かに匂う鉄錆のような匂いと、口腔に広がる独特の味。
思わぬ反撃を受けたものの、収穫もあった。
彼にセックスの経験があるという事──そしてその相手は多分、男だという事。
何故と問われれば勘だとしか言い様が無いが、確信はあった。
今、眼前で憎々しげにこちらを見つめ──だが、その唇と薄い肩は微かに震え、頬も紅
潮している事を彼自身は気付いているのだろうか。
荒い吐息にも、微かに滲む情慾の熱を感じるのは気のせいでは無いはずだ。
十中八九、彼の躯は他の誰かの手によって『仕込まれて』いる。
それを考えただけでゾクゾクした。
どんな声で啼くのか。どんな表情をするのか。
華奢な躯を組み伏せて、乱暴に掻き乱してみたいという欲望が頭を擡げる。
沸き上がる笑みを押さえるのに一苦労した。


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