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魔境避難所

289こうみょ</b><font color=#FF0000>(5myocL4k)</font><b>:2002/09/30(月) 06:08
あ、キターイパーイ(w
結局朝小説みたくなっちまった。

<二>
 裏関西──それは少年帝國が統治している裏日本にぽっかり空いた、
お好み焼きとたこ焼きが絶品ウマー!な鰹だしデルタ地帯。
そこを拠点に暗躍している“黒夢團”とは、帝王アキラがイゴレッド奪取に躍起になっていた
手薄な時期を狙って帝國領域に攻め入り、巧みな話術と類稀なる棋力で着々と領土を広げていった
したたかな一族の総称である。商魂逞しい彼等が、トレードマークの爆弾を片手に
裏西日本全域を制圧するのはもはや時間の問題であり、そうなると今まで築き上げてきた
少年帝國と日本の関係にもなんらかの影響が及ぶのではと政府も棋院も密かに危惧していた。
「つい先月、日本と不可侵条約を締結したばっかりだって言うのに、帝國も大変だな…」
 憎き恋敵とはいえ、少年帝王もまだ15歳の子供。
 帝王アキラはあの若さで、一体如何程の心労の種を背負い込んでいるのだろう?
 感受性豊かな伊角は、低血圧に悩まされながらも健気に総指揮をとっているであろう
アキラの姿を勝手に想像し、すでに貰い泣きモードだ。
「何勝手にほだされてんだよ、伊角さんっ!」
 目を見開いて伊角に抗議する和谷を宥めつつ、奈瀬は自分の唇の前に人差し指を作り、
声のトーンを殊更低くして二人に告げた。
「しかもね、聞いた話だと、戦争勃発の原因は進藤なんだって」
「なんで進藤──もしかして北斗杯か!」
「ご名答。和谷もあそこにいたんなら知ってるわよね?」
 和谷は無言のまま大きく頷いた。
 北斗杯の予選時、日本棋院に現れた、関西弁を話す謎の少年。
 気に入らないことがあるとすぐに手に持っている爆弾を投げつけてくるので、
注意するどころか近づく事さえ出来ず、誰もが少年を遠巻きに眺めていたのだ。
 驚いたことに、少年は北斗杯出場メンバーの候補だった。
 ヒカルと対局し、見事な打ち回しを披露するも、結果は敗北。
 カッとなった少年がヒカルの前に火のついた爆弾を置いたが、ヒカルはびくともせず、
手にしていた扇子で導火線の火を消し、
「いい碁だったな」
 と、笑顔で少年に爆弾を手渡したのだ。どうやらその行為が、恋の導火線に火を点けたらしい。
「あれで気に入られちゃったのよ、うちのリーダーは」
「ちょっと待てよ、あいつ──社って黒夢團関係者か?だって北斗杯にもいたぜ」
 和谷の驚きは尤もだ。少々危ないヤツだとは思っていたが、碁の実力は確かだし、
怒らせさえしなければ、社は気さくな、人懐っこい性格の少年だったのだ。
「よくわかんないけど、その社ってコ、偵察も兼ねてこちら側に研修に来てたんですって。
 その際、裏関西では一切手をつけなかった囲碁にうっかりハマッちゃったらしくてねー」
「だからって裏の人間が関西棋院に所属したりするか?」
「まずは関西棋院を乗っ取る計画なんじゃないの?ソイツの正体は、黒夢團総帥の
 跡取息子──ヤシロボンよ。爆弾持ってた時点で気付きなさいよ」
「ヤシロボン…憎めない名前だ…」
「伊角さんは黙ってろよ!」
 ヤシロボン──自ら巻き起こす爆風で、髪の毛は常に逆立った状態。
 好戦的な瞳のあの少年が、まさか黒夢團の手の者だったとは!


また来週になるんですけど、つ、続けていいですか?


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