したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

魔境避難所

1638泥中の蓮・後日譚─貪婪─ ◆lRIlmLogGo:2015/01/15(木) 14:13:48
ついさっきヒカルの口に出したばかりにも拘らず、アキラの限界は早く来た。久しぶりに自分主導で
この場をコントロールしているという優越権と満足感が後押ししているのか。描いた青写真通りにヒ
カルが苦悶と快楽の狭間で藻掻く様が征服欲を刺激する所為なのか。どちらでもいい。
「ぉごぁ、ぁがはっ……っ、お゛あ゛ぁっ」
獣の咆哮のような声がアキラの耳を叩く。目を剥いて、溢れる唾液を飲み込めず、さりとて外に垂ら
すもならず、息を詰まらせては喉で濁った音を汚く立てるその顔が、例の映像の彼と二重写しになる。
窒息しないだろうと考えていたが、どうやら認識を改めねばならないようだ。口内の動きを全て封じ
られ、舌すら動かせなければ唾液の誤飲で呼吸が止まる危険がある。
そもそも、これはギャグではなくアナルプラグだ。本来の用途とは違う使い方をしている。
今、ここで、ヒカルの生命を自分が握っている。奪うも残すも自分次第。
そう思った瞬間、アキラの脳内で何かが激しくスパークした。
ガツガツと骨が当たる音が鳴るほどに腰を速く強く打ち付け、一直線にフィニッシュへと向かう。先
にヒカルが絶頂を迎え、内壁が悩ましく蠕動しながら肉棒全体を押し包むように圧迫する。
言葉で煽る余裕など失われていた。ただ本能が体を衝き動かすに任せ、高速ピストンに没頭する。
「くぅぉおお、ッ!」
腹の底から、自然と湧いて出る唸り。喉を通して出るそれと時を同じくして、尿道を灼くほどに熱く
煮えた欲望が吹き出す。
「はぁっ……はぁ……まだ、欲しいだろ?足りないだろ?たっぷり飲ませてやるよ」
足りないのは自分だ。もっと苦しめたい。まだ飾りが必要だ。
欲しい、と答えるかのように、ヒカルの肉壁がやわやわと締め付けてくる。
「可愛い顔が酷いことになってるぞ、もうヒトじゃないな。醜い淫獣だよおまえは」
「……あ゛、あ゛ぁ……」
嘲りの言葉に、反応したかどうか微妙な呻きが強制的にぽっかり開けられた口から漏れる。
どちらが醜いのやら。鏡に写った自分に向けて、腐臭を放つ汚泥をぶつけたような虚しさ。
胸の痛みを新たに湧き起こる性衝動で塗り潰し、アキラはまたヒカルの内部を穿ち始めた。
自分には彼しかいない。最初からだ。ずっと、彼ひとりを想い続けてきた。
彼には自分しかいない?個を魂と肉体に二分割し、それぞれ違う男に分け与えてきた。
その片方とは決別した。ならば今、目の前にいるヒカルは魂も肉体も余さずアキラのものになったの
だろうか?
肉体のない存在のもとへ、あの決別の日、魂を置いてきたのではないか?
肉体だけの不完全な彼を、以前と変わらずただ抱かされているだけではないのか?
約束は出来ないと言った。永遠を誓えないと言った。その真意は。
彼を信じられない。それこそが、アキラの胸に蟠り続けるどす黒い暴力的な感情の源泉。
「好きだ」という言葉すら嘘に聞こえてしまうほどに。
不実だと決めつけておきながら、それでもアキラには彼しかいない。
手に入れたくても入れられない、それでもヒカルの総てを手に入れたい。
────戻れるならば。初めて「好き」と言って貰えた、あの夜に戻りたい。
何の疑いも持たず、ただふわふわと宙に浮くような幸福感だけを味わえた、あの夜に戻りたい。
それは、ほんのひと月ほど前でしかないのだ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板