[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
1001-
1101-
1201-
1301-
1401-
1501-
1601-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
魔境避難所
1134
:
邂逅</b><font color=#FF0000>(TfjwVpA2)</font><b>
:2003/09/21(日) 17:57
15
道路側に出て、タクシーを拾おうとしていると、
「先生、今日車じゃないの?」
と、ヒカルがいささか落胆したように訊ねてきた。
「どうしてだ?」
タクシーのドアが開かれ、緒方は身体を少し横によけて、ヒカルを促した。彼が素直にそれに
従い車に乗り込むのを見届けると、自分もあとに続いた。
「だってさ…緒方先生の車カッコいいじゃん。オレ、一度乗ってみたかったんだけど…」
なるほど、確かに男の子の好きそうな形ではある。緒方自身も、実用性とか利便性を考えると
もっと他にいいものがあったにもかかわらず、そのミニカーのようなフォルムが気に入って
つい買ってしまった。
「今度乗せてやるよ。」
「え?いいの!やったあ。」
狭い車内の中でヒカルが飛び上がらんばかりに、バンザイと手を挙げた。
「おい…!危ないだろう。」
「ア、ゴメンなさい…」
ヒカルはシュンと項垂れたが、上目遣いに緒方を見つめると、ペロッと舌を出した。
自分の年齢を考え、子供っぽい衝動買いだったなと多少後悔したが、隣に座るこの少年が
そんなに喜んでくれるのなら、それだけでも買った甲斐があるというものだ。
さほど親しくない自分に対して、ヒカルはまるで疑いを持っていない。その全幅の信頼が
いったいどこから来ているのか緒方にはわからなかった。ただ、その屈託のない瞳を見ていると、
胸の奥に鈍い痛みを感じて、緒方はさり気ない振りで窓の外に視線を逸らした。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板