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魔境避難所

1086邂逅</b><font color=#FF0000>(TfjwVpA2)</font><b>:2003/09/07(日) 01:33
 ヒカルは本当に楽しそうに前を歩く。その後ろを緒方が歩いているのにも気が付かない。
緒方はヒカルの華奢な後ろ姿をじっくりと観察した。
 初めてあったときより、身長もずっと伸びた。頭が小さく手足が長い。丸みを帯びていた頬も
小さな手も大人のそれに変わりつつある。それでも彼の仕草も表情も子供のように、無邪気で
愛らしかった。
 緒方は暫く楽しげなヒカルの姿を眺めていた。彼は本当に幸せそうだった。その幸せな気持ちを
ほんの少し自分も味わいたかった…そう思って声をかけた。

 ヒカルがビクンと振り返る。そんなに驚かせるつもりはなかったが、彼は大きな目をまん丸にして、
緒方を見つめている。
 こうやって見ているとヒカルは本当に可愛らしい顔立ちをしている。アキラとは違うタイプの
少女めいた美しさを持っていた。
『男を見て、女の子を連想するのもヘンな話だ………』と、苦笑した。

 「先生 どうしてこんな所にいるの?」
頬を赤らめて、ヒカルが訊ねてきた。浮かれている自分を見られたのが恥ずかしかったのだろう。
「仕事で棋院に来ていたんだが、出たところでお前を見かけてな…」
「じゃあ 先生ずっとみてたんだ。」
人が悪いとふくれるヒカルを慌てて宥めた。こういう会話はキライではない。特に好ましいと
思っている相手となら、駆け引きも楽しい。
「悪かったな。お詫びにメシでもおごろうか?」
緒方が切り出すと、ヒカルは酷く狼狽えた。何かを警戒しているようにも見える。
『ははぁ…“sai”のことだな…』
緒方はヒカルの答えを急かさず待った。


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