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プチ避難所

1343CC ◆RA.QypifAg:2014/06/28(土) 17:46:21
盤上の月4〜最終章〜(18)

「…………塔矢君、一度ヒカルと話してみるべきじゃないのかな」
あかりはアキラのハンカチで目頭を押さえながらぽつりと言う。なぜそう言ったのかあかりは自分でもよく
分からない。でもアキラとヒカルは、もう一度向き合うべきではないのか。そのように、あかりは感じた。
「………そうだね、進藤と話してみたいね……」
寂しげにアキラは話す。そんなアキラをずっと見ていたあかりは、何かを思いついたように意思を固めた。
「…………藤崎さん、すまないがこの後に指導碁の仕事が入っているんだ」
ふとアキラは自分の腕時計を見て、少し慌てて言う。
「ごっ、ごめんなさいっ、やだ私ったらつい話し込んじゃって。それでハンカチも借りちゃって」
「ハンカチのことは気にしないでいいよ。……今日藤崎さんと話が出来て良かった」
アキラはあかりが使ったハンカチを受け取る。
「えっ?」
「こんなに自分の気持ちを正直に話せたの……進藤と付き合っていた以来だ。10年ぶりくらいかな……。と
ても嬉しかったよ。婚約本当におめでとう、お幸せに」
「……私こそ、本当にありがとう。私も塔矢君と話をして良かった。あの……ハンカチ、新しいのを買ってく
るから」
「大丈夫だよ、そんなに気にしないで。ボクのために泣いてくれてありがとう……」
アキラとあかりはお互い顔を見つめた。そして静かに微笑み合った。喫茶店を出て、アキラとあかりは反対
方向へと歩き出した。ふとあかりは立ち止まって振り返り、アキラの背を眼で追う。


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