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プチ避難所

1336CC ◆RA.QypifAg:2014/06/28(土) 17:39:13
盤上の月4〜最終章〜(11)

自分のときは中学卒業してからヒカルと結ぶものは幼馴染という立ち位置と碁だけになった。ヒカルが好き
で始めた碁だったが、今ではあかりの中で大切な趣味へとなっている。
―――碁………あかりははっとする。
ちらりとアキラのほうへ視線を向けると、アキラはそれに気付き微笑む。とても人当たりのいい雰囲気が、
あかりにこの言葉を出させた。
「……ヒカルとは普段会わなくても、囲碁で繋がっているから?」
あかりの言葉を聞いた途端、アキラの顔から笑みは消え無表情になる。
―――もしかして禁句だった……?
アキラはあかりの顔を静かに見つめた。そしてふっと破顔してまた静かに笑みを浮かべる。
「……藤崎さんは鋭いね。そのとおりだよ。進藤とは碁で繋がっている。ボクはそれで満足なんだ」
そんなアキラを今度はあかりはじっと見つめる。満足だといいながらも、どことなく寂しげな感じがするの
は気のせいだろうか。
「誰にも話したことがないのに、どうして藤崎さんには分かるのだろうね」
「……分かって普通だと私は思う。だって私と塔矢君……ヒカルを好きだったのだもの。」
「………………」
「本当に本当に大好きだった。ヒカルが笑うと自分のことのように嬉しかった。ヒカルが泣くと自分のことの
ように悲しかった。ヒカルのことが全てだったから。」
「………………」
「不思議ね……同じ人を好きだっただけで、ほとんど接点のない人のことがよく見えるなんてね……」


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