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プチ避難所

1335CC ◆RA.QypifAg:2014/06/28(土) 17:38:40
盤上の月4〜最終章〜(10)


「うん……噂で知っていたよ。ボクはあの時にキミが進藤を不幸にしたら許さない。そう言ってきたキミと
なら進藤は幸せになれると想い、密かに応援していたんだよ」
「……嘘……」
「本当だよ。信じてもらえないだろうけど」
「………じゃあ、さっきの私の質問には答えてもらえるの」
疑うような表情をあかりは浮かべながら、アキラへ再度問う。
ちょうどその時、店員が二人が注文した品を持ってきてそれぞれをテーブルへ置いてく。
なぜほとんど見知らぬ彼女へ自分の隠している事を言う必要があるのか。アキラはそう思ったが、以前ヒカ
ルのために自らのことを省みずに純粋に動いたあかりを知っている。どこかヒカルに対して似た明るい雰囲
気を持つ持つあかりに、アキラは嫌いにはなれなかった。それにあれからすでに10年も経った。誰かに自分
の正直な気持ちを聞いてもらいたかった。そんな交錯な心の動きが、口の堅いアキラの唇がゆっくりと動い
た。
「いや……、ボクは女の人を対象にしている。その対象を男で見たのは進藤だけだよ」
アキラは自分へと遠慮の無い質問をぶつけてくるあかりに対して、ではなぜヒカルと別れたのか。と、反問
したかった。だが、アキラの関心事はそのことよりも、今のヒカルがどうしているかのほうに意識が向く。
「……そうなの。…………今でもヒカルと連絡を取ってたりしている?」
「いや、進藤とは対局以外は会っていない。でもいいんだ。」
――なにがいいのかさっぱり分からない。ヒカルと付き合っておきながら、女の人が好きだとか言って。やっ
ぱりこの人はよく分からない人だ。あかりは眉をひそめながら、渋々ミルクティーを味わう。


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