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俺はMじゃない

39ちびび:2016/05/04(水) 13:09:53 ID:???
「じゃあね」
店員は手をひらひらと振って女子トイレの扉を閉めた。外からパチっと音が聞こえると暗闇が訪れる。
「ずずっ」
マサの鼻水をすする音だけが暗闇に響く。すする度に鼻が痛んだ。あの店員に座られたときにでも折れたのだろう。鼻は簡単に折れると聞いた事がある。
「ぺっぺっ!」
口の中にあの店員の汁が残っている気がして便器に吐き出した。それを吐き終えると、現状置かれている不安と恐怖、そして疑問が頭の中でぐるぐる回る。
目下2つの大きな疑問があった。まず1つ目は自分が変身しようとした訳でもないのに能力が発動したこと。
あの時は確かにパニックになっていた。逃げたい、助けてほしいとも願っていた。だが、変身に関してはこれっぽちも考えがいってなかった。これまでそんな事はなかった。力が勝手に暴走しただけだろうか。
そして2つ目は変身していないのにトイレットペーパーと認識されているということ。あの店員だけだったらからかわれている可能性もあった。だが、あの小学生は別だ。あの女の子を信じるならば、今自分は、自分であって自分でない。自分は人間ではなくトイレットペーパーという分類なのだ。
考えていて頭が痛くなってくる。ため息を吐くと同時に「ぱちっ」と音がして明るくなる。ついにやってきた。
ドアがゆっくりと開く。まず注目したのは彼女の表情。一瞬驚くが、声を出す間もなく目がとろんとして普通の表情に戻る。自分をトイレットペーパーとして受け入れた合図だろう。
Tシャツにジーンズとかなりラフな格好だ。だがTシャツの2つの膨らみは凄い。Tシャツでこれだけ魅せる胸もなかなかないだろう。
彼女はこちらへと歩を進める。中に入っただけだろうが、あまり広くないためすぐ近くに彼女の太ももがくる。触れてもないのに圧迫感がマサを恐怖させた。後手でドアを閉めるとまたもや2人の密室空間となる。
「近いでかい近いでかい近いでかい怖い怖い怖い!!」
これからどうなるんだ。
「ね、ねぇ、おねーさん。お願いがあるんだけど?」
なるべく目を見上げて合わす。ズボンの腰にかけていた手を止めて、便器を抱いて見上げている自分を見る。
「ん?なに?」
その声は無機質なものだった。なんの感情も込められていない。哀れみ、蔑み、興奮、喜びいつも向けられていた感情はそこにはなかった。
可能性はないのだろう。それでも頼まずにはいられない。
「あの、僕間違えられてここで縛られたんだけど、実際はトイレットペーパーじゃないというか」
なんと言えばこの状況から逃げ出せるのか。
「はぁ?訳わかんないこと言ってないで静かにしててよ。トイレくらい静かにさせて」
そう言ってズボンをひざまで下げる。目の前に黒のレースのパンツが現れた。そしてそこから伸びる二本の立派な足。ツルツルと光沢を放つ。触ればきっとすべすべなのだろう。
だがやはりでかい。この腰に自分が抱きついたとしたらきっと手を回すことが出来ない。いや、ぎりぎり手が届くか?
そうこう考えているうちに彼女がずいっとパンツを下ろした。
横からでしか見えていないが今彼女のあそこは無防備なはずだ。
コツコツと歩き、彼女はマサの後ろに回った。


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