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番人

14BIG TOWER:2010/03/22(月) 22:33:36 ID:inj/RV/Q
「はー。やっと綺麗になった」

流水で体に付着した精液を全て洗い流したクリスは、
濡れた服を適当な場所に干した。
乾くまで全裸でいなければならなかったが、この際仕方がなかった。

隣にいる巨人は、手で掬った湧き水をチンコに掛け、ぬめりを落としていった。
粗方洗い終わった巨人は、手で自分の胸と股間を隠しているクリスをじっと見つめてきた。
「な、何よ……」

「クリス。さっきも言ったが、お前みたいな冒険者は初めてだ。
 そんなに小さいクセに、ここまで俺を追い詰めるとは……。
 ……。
 俺の負けだ。俺が守っている宝は、お前にやろう」

「!!!」

巨人は首にぶら下げている首飾りを外し、そっとクリスの隣に置いた。
人一人の力では持ち上げられない程巨大で、沢山の小さな宝石がちりばめられた綺麗な首飾り。
噂によると、埋め込まれた宝石1つで豪華な家を10件建てられる程の価値があるとか。
それが何十個、何百個と埋め込まれているのだ。
多くのトレジャーハンターが狙うわけである。

そんな宝物を、クリスは呆然と眺めていた。

「い、いいの? 私にあげちゃって…」
「それが目的だったんだろう?
 お前は俺に勝ったんだ。受け取る権利は十分にある」
「え、えーっと。あ、ありがとう…」

自分が今、どれだけ凄い財宝を手にしたか。
あまりに額が高すぎて、実感が沸かなかった。

「と、ところで、あなたはこの財宝を守る為に作り出されたんでしょ?
 その財宝が無くなったら、あなたはどうするの?」
「その財宝がトレジャーハンターの手に渡ったら、もう俺は御役御免だ。
 もともと、その首飾りから放出されている魔力によって、俺は活動している。
 そいつが首から外れたら、あと数時間の内に俺は消滅する」
「えええぇぇ!?
 だ、ダメだよそんなの!! 受け取れない!!
 早く首に戻してっ!」
「何故だ? 折角手に入れた宝を再び門番に返すなど…」
「お願いだから早く!!」
「あ、ああ……」

言われるがままに、巨人は首飾りを首に下げた。

「これで消滅しないんだよね…。
 はー良かったー……」
「理解できない。手に入れた宝を返すなんて。
 この首飾りさえ手に入れれば、俺がどうなろうとお前には関係ないだろう」
「そ、それは…」

言われてみればそうだ。
所詮、相手は宝を守る為に作り出されただけの巨人。
会って1時間も経っていないし、色々とひどい目にも合わされたのに、
どうしてここまで自分は必死になってしまったのだろう。

「……ま、まあ、私と関わった人が私のお陰で死んじゃう、なんてことになったら
 寝覚めが悪いからよ。
 それに、そんな高額すぎる財宝、しがないトレジャーハンターの私には似合わないわ。
 だからいらない。あなたに返すよ」


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