[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
【バンパイアを殲滅せよ】資料庫
70
:
麻生 結弦
◆GM.MgBPyvE
:2019/12/03(火) 05:57:20
「どした? ヴァンプ様が変なもんでも食って頭がヤられちまったのか?」
魁人がクルクルっと両手の銃を回して、ピタっと彼に狙いを定めた。
狙うといっても、照星を的に一致させ、それを照門の間に置く、なんて一般的なやり方じゃない。
腰だめで狙う西部の保安官スタイルだ。
よくそんなで当たるよね。よっぽど生まれながらの射撃センスがあるんだろう。
「そのカッコ、お誕生日かよ。どこのどいつか知らねぇが、んなガラクタ持ち込んで、こいつに何させようってんだ?」
「わたしが頼んだのだよ。書物もいくつか。あの方が快く応じて下さってね」
「あの方? だれだそいつぁ?」
「君達が『元帥』と呼ぶ方だよ。他に質問はあるかね?」
「『かね』だあ?。薄ぎたねぇヴァンプ風情が偉そうに教官気取りか? ふざけんな!」
彼の指がトリガーを引いた。打ちっ放しの天井、壁に響き木霊する炸裂音。
しかし彼は、平然と立ち尽くしたまま。
僕は彼の後ろを見たけど、弾が壁に当たった痕はありません。
……撃った弾が消える、はずはない。彼が動いた様子もな……いえ、良く見ると、手首に繋がる鎖が微かに揺れています。
しばしの静寂。
僕と魁人が唖然と見守る中、彼が手を差し出して見せる。
鳥肌が立ちました。
上に向けた手の平には、さっき撃った弾頭が二つ、乗っていたんです。
銀とはっきり区別する為に、青く塗られた弾丸だから間違いありません。
「なんだ……? いったい今……なにしやがった?」
「そんなだから魁人くん。理論も学ぶ必要があるのだよ」
フフッと笑うその仕草はとても理知的で、物の道理が解ったような……そう、化け物というよりは人間に近い。
そこらのヴァンプとは違う「貫禄」のようなものがあって。
僕は腰に差したベレッタを抜き取ることもせず黙って彼の眼を見た。
だが魁人は違った。
「うらあああああああ!!!!!」
腰だめじゃない、両腕まっすぐ前に伸ばしてトリガーを引く魁人。
彼がそんな撃ち方をする時はよほどの時だ。より精密な狙いを要する時。
でもその目標が倒れない。
彼のパイソンは左右合わせても12発。すぐに弾は尽きた。
パラパラっと……鉛の弾が床に転がる音。その数は11。
残りの1発は?
「……あ……」
魁人がペタンと尻もちをついた。
左肩を抑える右手の隙間から赤い血が流れている。僕は即座に駆け寄った。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板