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【バンパイアを殲滅せよ】資料庫
39
:
如月 魁人
◆GM.MgBPyvE
:2019/06/22(土) 19:15:53
足元に転がるピアス。
たったさっきまで姫が付けてたこれが、彼女の形見になっちまった。
むわっとした生温けぇ風。
この風が吹く時ぁ……決まってる。決まって酷ぇ嵐が来るんだ。いつもそうだ。
俺は胃ん中の溜まり血を綺麗さっぱり吐いちまってから、携帯のクスリを口ん中に放り込んだ。痛み止めと止血剤だ。
さっき俺の手ぇ取ってくれた野郎が目ぇ丸くしてこっち見てやがる。見たとこまだ……10代だが……
へぇ……こいつだけ「他」と違うぜ?
「てめぇ……名前は?」
「え? あ、はい! 宇南山(うなやま)拓斗(たくと)といいます!」
「……見たとこ自衛官候補生だな。歳いくつだ?」
「18ですが……良く候補生だと分かりますね」
「丸で囲った緑の桜はそれ以外にねぇだろ。……奴ら……んなのばっか寄越しやがって」
「伍長! 自分は確かに下っ端ですが、射撃の腕には自信があります!」
ビッと背ぇ伸ばして俺を見る宇南山。……なるほど。いい眼してるぜ?
「すまねぇな。若ぇのは取っとけって意味だったんだが……一応聞いとくぜ。どっちだ?」
「え?」
俺ら囲む奴らが、しまりのねぇ顔して立ってやがる。手に持つ得物にゃしっかりセイフティかけやがってな。
伯爵に銃は向けられねぇってか。
「こいつらと同じ……奴に共感しちまった口か? それともまだ人間の側か?」
「良く分かりませんが……さっきの伍長、凄かったっす。自分は断然伍長に付いていきます!」
「そりゃどうも。いいぜ。特進覚悟があるなら付いて来な」
「ほんとすか? ありがとうございます!」
「……何がそんなに嬉しいんだ? 100パー死ぬって言ってんだぜ? 俺は?」
「そんなの元から覚悟の上ですよ! 伍長の下に付くなんて夢みたいで、俺、思い残す事ないです!」
「あ? いきなり何お愛想言ってやがる」
「お世辞なんかじゃないですよ! て言うかですね? 本作戦、伍長に憧れて志願した人員ばっかですよ?」
「……は? はあ……!??」
「自覚ないんすね。ヴァンプハンターはタマ撃ちの頂点! その中でも常勤の伍長は憧れの的ですよ!」
「そうなの!!!?」
マジかよ。やたらと俺なんかの指示通りに動くと思えば……そういう事かよ。
悪ぃ気はしねぇが……落ち着かねぇな。出来れば聞きたくなかったぜ。こいつら死んだらまるで俺のせいみてぇじゃねぇの。
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