[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
【バンパイアを殲滅せよ】資料庫
160
:
菅 公隆
◆GM.MgBPyvE
:2020/10/31(土) 06:59:53
「如何されました? そろそろ降参、ですかな?」
「いいえ」
かぶりをふる。沢口の意図は解らない。ヴァンパイア達と手を組み、何を仕出かそうとしているのか。
このわたしを吊るしあげ、秘密裏に抹殺するくらいだ。良からぬ事には違いない。
撃鉄の起きる音を遠くに聞く。
頭の中のCPUは……まだ回っている。
どうせなら答えてもいいかとも思う。無論、この事態とは何の関連もないだろう。正解である可能性はこれっぽちもない。
わたしとはついぞ無縁の行事。だが街はその喧騒で溢れていた。
今朝がたにベッド脇で鳴っていたラジオでも、大半のコメントはそれだった。(国会中継の内容なんかそっちのけでね!)
一歩、足を踏み出す。自然と……背筋が伸びる。
「今日は10月31日。ハロウィンです。しかもハロウィンにして満月。実に……四十数年ぶりだそうですね?」
カッ! っと眼を見開く群衆。
フッと笑う田中さん。それに合わせるように、会場も忍ぶように笑いだす。
……いいさ。笑いなよ。馬鹿な事を云いだす首相だと。
1人、1人が立ち上がる。またぞろ……まるで大海原が波立つように。
皆が皆、あのジャックオーランタンのような笑みを浮かべている。
今頃は渋谷のあの場所も、思い思いの姿に扮した若者で賑わっているだろう。
各地の大勢も。我を忘れ、この日、この夜を大いに楽しんでいる筈だ。愉しんでくれているようで何よりだ。
ああそうさ! 大いに楽しむといい! その眼で見届けるがいいさ! 「元伯爵」の惨めったらしい最期をね!
ついにその時は来た。
今度こそは不発じゃない、正真正銘、火薬の炸裂する破裂音だ。
パッと散る血の飛沫。照明を受けやたらとキラキラ光っている。
強く眼を閉じる。
……がおかしい。撃たれた実感が無い。
自分自身の経験はないが、柏木やその他のハンターは良く言っていた。
胸部に受けても、急所を外れていれば反撃が可能だとか。
32口径の弾を腹に受けた時、殴られるような衝撃はあったが痛みはほとんど感じなかった……が、意識はすぐに無くした、とか。
2人の使用している弾は35口径(9mm)のマグナム弾。
ライフル弾ほどではないにしろ、もう少しこう……衝撃があってもいいんじゃないのか?
それともあれか? 見栄えが悪いとかそんな理由で、火薬の量を加減しているのか?
足元を見下ろす。
自分はまだこの舞台に2本の足で立っている。腕も無事。
撃たれた事は確実だ。だってこの床に散っている赤い……赤いテープ…………??
「おい」
「……え?」
「いつまでそうしてんだ? いい加減、気づけっつーの」
「え?」
魁人が向けている銃口に、ヒラヒラした何かがぶら下がっている。
短冊のような何かだ。
何か文字が書いてある。T、R、I、C、K……
振り向く。麻生の向ける銃口に似たものが。それにも……T、R、E、A、T……。
「トリック……オア……トリート……ってか?」
魁人が腹をかかえて笑い出す。
「え……は? いや……ええええええええええええ!!!!!???????」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板