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【バンパイアを殲滅せよ】資料庫

115麻生 結弦 ◆GM.MgBPyvE:2020/05/10(日) 06:04:26

ふたたび喉の渇きを訴え始めた菅さん。
そうそう、もとはと言えば誰がジュース買って来るかで揉めたのが発端でした。
朝香先生ってば、わざわざ菅さんの耳元に口を近づけて……

「もう少し待って? 点滴の量を増やしてあげるから」

なんて囁きながら菅さんの腕に針を刺したりしています。さっきのキスと言い……随分と……見せつけてくれますね。

「ごめん。この……胃の辺りもすごく変なんだよ、ときどき締め付けられる感じが。痛くはないんだけど……」
「それが『空腹感』よ。人間の証拠なの」
「本当にわたしは……人間に? 肉も野菜も……食べられる?」
「……そうね。様子を見て……重湯から試してみましょうね?」

あの菅さんが、子供みたいな無邪気な顔して……大人しく彼女の言う事を訊いています。
先生は本当に……不思議な人だ。
だから先生、僕は菅さんの事よりも、先生の方がよっぽど気になるんです。いったいどうして先生は――生き返ったんですか?

「菅が人間だってコトはよ〜く解ったぜ。司令がそいつの心臓から弾を抜いたから……なのか?」
「いいえ。それとこれとは話がべつよ?」

今度は魁人に向き直った先生、彼の腕にも点滴をセットしている。
あの魁人が……鼻の下を伸ばしてる。
女には興味が無い、なんていっつも僕の話をまともに聞いてくれなかったあの魁人が。

「別って……じゃあどうして菅さん、人間になっちゃったんです?」

話しかけずに居られなかった。菅さんの事なんかどうでもいいけど、でも……僕だって先生とキスした仲じゃないですか。
僕は先生に取っては患者の一人。
あのキスだって……僕の自殺を止めるための麻酔替わり。えぇ、良く解ってますよ。
でももう少し……僕に注意を向けてくれても良くありません?

「あら、生物学には興味が無い、なんて言ってた麻生君が……気になるのかしら?」

やっとこっちを向いてくれた先生。嬉しそうに僕の傍に駆け寄ってきた。
菅さんと魁人が怪訝な顔してこっちを見る。

「うふっ! あの時、麻生君の血を調べた事も、ヒントになったのよ? 聞きたい?」
「えぇ。是非」

先生はやっぱり先生だ。先生は心から好きなんだ。医者という仕事が。
……いわゆる……仕事バカという奴ですね。
朝の光を後光のように浴びて、腰に手を当てがってキラキラした先生は……本当に素敵です。

「結論から言うわ。大元は血なのよ。あの特殊な血液が、ヴァンプをヴァンプたらしめてた原因だったの!」


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