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【東京ブリーチャーズ】那須野探偵事務所【避難所】

322 ◆pNqNUIlvYE:2017/10/13(金) 22:27:08
「……まあ良いわ。ワシも暇ではないからの。用件だけを伝えるぞ。
 ――――喜べ。此度我らが宗派の総本山は、貴様と貴様の弟子の背教行為に対する罰、その終わりを決めた」

「……あ、あ……っ……!?」

外の人影の口が告げた言葉に、大袈裟な程に反応する石室の人影であるが……それも当然であろう。
投げかけられたその言葉は、屍と共に過ごし、四肢を切断され獣の様になり、無様に糞尿を喰らいながらも尚……石室の人影が待っていたものであるのだから。
喜びの感情を見せた石室の人影に対し、フンと鼻を鳴らすと外の人影は続ける。

「仏の道に在るべき僧侶が、鬼子を育て……あまつさえ、悪鬼と化したソレを滅する事無く京の都に解き放ち、
 結果として、多くの貴族の息女達が喰われ、金品は奪われ、寺への喜捨も減った。
 ……その罪を償う為に貴様に命じた、『釈尊のなされた苦行と同じ物を半年に渡り行う』という罰。今日こそが丁度その半年目という訳じゃ」

石室に放り込まれてから、とうに時間を数える余裕など失っていた人影は、続きを促すようにうめき声を出し、
それに答える様にして外の人影は言葉を続ける

「おうおう、その様子じゃとまだ狂っておらなんだか。貴様が聞きたいのは『約束』についてじゃろう?
 確か『もしも貴様が耐え切れば、貴様の罪を赦し……悪鬼と化した貴様の弟子を、我らが祈りで浄化し人間に戻してやる』という約束じゃったな。勿論覚えているとも」

じゃが、と。外の人影は一度言葉を切ると、採光穴から袋に入った何かを放り込んだ。

「―――ほれ。話の前に、それを喰らうがよい。今の様子では、全て話し終える前に死んでしまいかねんからのぅ」

急に優しげな声を出し始めた外の人影。それを怪訝に思いつつも、己の体力と命の限界を感じていた石室の人影は、
投げ込まれた袋を口で開き、中に入っている黒く変色した生肉を口に入れ、無理矢理に飲み込んだ。
食肉はあるまじきものとしてきた石室の人影であったが、生きる為に口にした血の滴るその肉は、砂漠で口にした水の様に美味であり、
石室の人影は、まるで餓鬼の様にその肉を貪り……喰らい尽くした。
その様子を、石室の人影が最後の一口を飲み込んだのを笑顔で未届けた外の人影は、再度口を開き優しげな声で告げる

「どうじゃ―――――くひひ、どうじゃ美味かったか?」



「 なあ、美味かったか? 貴様の弟子の、薄汚い悪鬼の心臓は 」


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