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【東京ブリーチャーズ】那須野探偵事務所【避難所】
259
:
尾弐 黒雄
◆pNqNUIlvYE
:2017/08/19(土) 00:04:59
【以下、特に本編には関係ないからまるっと削った文】
『鬼の観た夢』
山麓の向こうに沈みかけた太陽によって茜色に染まった世界。
田を耕していた農夫や貴族を乗せた牛車もとうに家路に着き、騒がしい蝉の声と遠く山犬の遠吠えだけが響くその世界の中
土を踏み固められ出来た山道に、大小二つの影が伸びていた。
小さな影……その主は網代笠を被っているせいで顔を見る事は出来ないが、小柄な体格から恐らくは子供であろう事が見て取れる。
対して大きな影の主は、夕日をその剃り上げた禿頭で反射しており、逆光で顔が見えないが、筋肉質な体つきと着込んだ僧衣から
ある程度の年齢を重ねた大人であろうと推測される。
歩幅を並べて黄昏を歩くこの二人組であるが、珍妙であるのは子供が身の丈ほどの大荷物を背負っており、
僧侶の方は錫杖以外にはこれと言った荷を持ち合わせていない点だろう。
……そして、珍妙であるという意識は彼らの中にもあったらしい。
網代笠を被った子供は唐突に足を止めると、僧衣を着込んだ男へ声変わり前の高い声で問いかける
「……おいクソ坊主。何故この私がこんな荷物を運ばねばならんのだ」
背負っている荷物の大きさの割に息切れ一つしていない、随分と健脚なその子供の尊大な問いかけに対して、
僧侶は右手の小指で耳垢を掘り出してから、気だるげに口を開く
「あん?そりゃあ、拙僧の腰が陶器よりも脆いからよ。そしてお前さんは力と腰が強い。つまりは分業って奴だ」
僧侶としては余りにだらしのない言いぐさである。
せめて説法をするなりして言いくるめれば様にもなろうが、そんな事をするつもりは更々無いらしい。
欠伸をしながら子供を置いて歩を進める僧侶に対し、子供は小走りで追いつき――そして追い抜くと、僧侶の前へと立ち塞がり
背中の大荷物を下ろして片手で軽々と持ち上げ、僧侶へと突き付けながら口を開く
「クソ坊主よ、分業と言うのであれば貴様も私の為に何かをせねばなるまい。
先に遠吠えが聞こえた山犬共の狩りとて、楽し座しておる者はおらんぞ。
さあ、貴様は私の為に何をしてくれるのだ?もし、何も出来んと言うのなら―――やはりここからは貴様がこの荷を背負って歩け」
僧侶を言いくるめられると思い、どこか嗜虐的な色を含んだ言葉を放つ子供に対して、僧侶は露骨に面倒くさそうな表情を浮かべる。
だが、それでも納得させねば自身が荷を背負う事になると思ったのだろう。坊主頭を掻きながら口を開く。
「あのなぁ、坊主。拙僧がその荷を背負ったらどうなるか考えて見ろ」
「ふん。私が楽になるな。この程度の重さでも、有ると無いとでは無い方が動きやすいに違いあるまい」
問われた事に、優越感を隠さずに答える子供。そんな子供に対して僧侶は息を一度吐くと
「お前さん、阿呆だな」
呆れたようにそう述べた
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