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【大正冒険奇譚TRPGその6】
89
:
鳥居 呪音 ◇h3gKOJ1Y72
:2013/09/02(月) 22:47:11
数刻ぶりに再会した頼光の外見は変っていうか
頭を布で隠していて、右手は木みたいにになっていて
フーにいきなり襲い掛かるという切羽詰まった感じ。
でもその行動に、鳥居はふと日本にいて、
サーカスをやっていたことを思い出していた。
どこにいても、どんな体験をしてきても頼光のぶれない心の身勝手さは
頼光を頼光でいさせている。
自我を守るために駄々っ子みたいに飛びかかっていった、
人としてのはしたなさみたいな、それでいて矜持のようなもの。
その変わらぬ頼光の様相に日本に戻った錯覚が鳥居の心に一瞬だけ甦る。
でもその行動を、鳥居は自身の赤い瞳に映しているだけ。
マリーに止められるのをみているだけ。
内心、うん。と納得して安心をしながらみているだけだった。
そして、フーと冬宇子と生還屋たちの会話を聞いたあと、王宮に向かう道すがら、いろいろと考えてみる。
真実とか、嘘とか、どうして人は求めるのかとか。
それとフェイ老人のこと、ジャンのこと、ダーのこと。
いったい、何が正しくて何が間違っていたのか。麻痺しかけていた感情をもう一度動かして考えてみた。
つまり真実と正しいことについて。
鳥居は思う。
この国にきて、恐ろしいことばかり体験をしたきたと。
それは今まで鳥居が、見てみないふりをしてきたことであり
人のもつ情念といった根源てきな感情、原動力といったもの。
この世界はまるで、感情か魂で蠢いているかのようだということ。
それなのに。
自分は空っぽ。
鳥居は自分の感情が信じられなくなっていた。
本当に心からそう思っているのか。
吸血鬼の体に弱々しくへばりついている子供の魂は
本当は他人の不幸を笑っているのではないかと。
(ぼくみたいに、みんなこどくに……、みんなふこうになればいい)
そう思ったときもあった。
否、それは今も鳥居の傍らで眠っている。
我ながらゲスいと苦笑する。
傷口を自分でかきむしる感覚。
それを打ち消すが如く、もう一人の自分が現れて…
(孤独が人を狂わすくらいにつらいってことを、ぼくは知っていたはずです。
だから、みんなを笑顔にしたいって思っていたはずです)
だからアムリタサーカスを運営している。
人を喜ばせるために、相手方が何を求めようとしているのか知ろうとする。
快楽を与えるものが、拒絶されるわけがない。
それで人と繋がろうとしている。
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