したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【大正冒険奇譚TRPGその6】

88◇u0B9N1GAnE:2013/09/02(月) 22:46:41
「ま……今のは面白い話を聞かせてもらったお礼さ。
 ボクは日本とは仲良くしたいと思ってるんだ。君達に危害を加えたりはしない。
 それに……君達の仕事は、これから始まる訳だしね」

「あ、そうそう。君達の土産話、とても良く出来ていたけど、少し添削が必要かな。
 まず、勘違いされてたら嫌だから言っておくけど、君達の飛行機が墜落したのはボクのせいじゃないよ。想定外だ。
 運が無いんだねえ君達……。まぁおかげ様で、ボクも馬と車……じゃなくて、飛車と角?を取り戻せず仕舞いだけど」

「それと、日本はこの事をちゃんと知ってるよ。
 貴重な呪具が多く保管されているだろう遺跡があるから、人手が欲しい。呪具は山分け。
 そう依頼したんだ。……言いたい事は何となく分かるけど、それは黙っていて欲しいなあ」

「あと、民が死んでるって君は言ったけど……死んだのは極一部だ。
 知っての通り、大概の場所には呪災対策を講じておいた。都外も例外じゃない」

「……まぁ、民以外なら確かに大勢死んでる。厄介な北の連中は、特にだ。
 亡国士団もほぼ全滅。これで戦争は終わりだ。もう清に歯向かう力を持った国は残ってない。
 呪災に先手を打てたのはボクらだけだからね。
 これから先、この大陸で、戦争で人が死ぬ事はない。……当分の間はね。
 総合的に見れば……案外ボクは大勢の命を救ったのかもしれないよ?」

「んー……あと、何か質問ある?言いたい事でもいいよ?」

にこやかに、王は君達に問いかける。

「え、えと……じゃあ、ウチら、亡国士団のジャンって人と会ったん……やけど……
 あの人最後に、不老不死の事を日本人の女の人に聞いたって……。
 王様なら……その女の人の事も、何か……」

あかねは取るべき態度を決めかねているようで、ひどく歯切れ悪くそう尋ねた。
対して王は――黙っていた。非の打ち所のない笑顔も、柔和な雰囲気も、忘れてしまったようだった。
完全に素の状態で、何かを考え込んでいる。

「……いや、ちょっと分からないかな。それ以外は?何かない?」

ようやく発した言葉は素っ気なく、彼は笑顔を浮かべ直そうともしなかった。
日本人の女性――その件について、これ以上の追求を喜びそうな雰囲気でない事だけは、確かだった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板