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【大正冒険奇譚TRPGその6】

84◇u0B9N1GAnE:2013/09/02(月) 22:44:54
「……もしかして」

張り詰めた空気の中で、あかねがポツリと呟いた。そして続ける。

「フーはんはメインやないんとちゃう?」

「……何言ってんだ?オメェ」

生還屋が不可解な表情で彼女を振り返った。
目つきは剣呑――阿呆らしい戯言に付き合ってる気分ではないと語っている。

「あー、えっと、なんて言えばええんかな……」

その雰囲気にやや気圧されたのか、まごつきながら、あかねは言葉を探す。

「……だから、こう……協力者やったんは、フーはんの方やった……とか……ないかな?」

自信無さげな、あかねの言葉。

「意味が分かんねえ事を……いや、ちょっと待て」

生還屋は呆れたように溜息を吐き――しかし、思い直したように思案を始めた。

――確かに今回の件は、フーが主体になって起きたにしては無駄が多い。
わざわざ知人を巻き込むような形で避難場所の空白地域を作る必要はない。
いや、それ以前に彼の独断で出来るような事でもない。亡国士団の帰投にしてもそうだ。
ならば一体誰が主犯なら、全ての出来事に利益が生じるのか――

「……おい、疑って悪かったな。どうやらお前は黒幕じゃなくて、マヌケだったらしい。
 話はもういいぜ。その代わり……そろそろ最初の約束を果たしてくれよ」

唐突な話題の転換――フーは理解が追い付かずに、怪訝そうな表情を浮かべた。

「まさか忘れた訳じゃねえだろうな。……王様に会わせてくれって言ってんだよ」


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