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【大正冒険奇譚TRPGその6】

80倉橋冬宇子 ◇FGI50rQnho:2013/09/02(月) 22:43:12
「さてと、もう一つ……これだけは、どうしたって聞かなきゃねえ!
 言っておくが、私だって術士の端くれ。無理に口を割らせる法なら心得てるよ。
 私らの側は七人……これだけの数を向こうに回しては、流石の宮廷道士様とて、そう簡単に抵抗できまい?」

横に並んでいる冒険者の数を示威する。威圧的な視線で、ツァイの顔をはすかい見て、

「―――何故あの詰所で、私達を始末しようとしたのさ?
 不意をついて殺す機会なら、最初から、いくらもあった筈だ。
 いつ、何の切っ掛けで、私らが邪魔になったのか、さァ、答えて貰おうか?」 

冬宇子は更に畳み掛ける。

「あんたが、私達の"始末"を依頼した結界師――あの男は、
 マリー達の命を狙ったジャンって奴と同じ、亡国士団って部隊の人間なんだとさ。
 あんたは、それを――あの男の所属を知ってて利用したのかい?」

ここ数十年の大陸の騒乱で、故国を失った武人や術士が、主な成員だという亡国士団。
そんな寄せ集めの傭兵に等しい者達が、呪災の直前に、確たる理由も無く王都に帰投されたという事実が、
冬宇子にはどうにも解せなかった。
それについてフーが情報を持っているのなら、何かを吐露するのではないか――と期待しての揺さぶりだった。

思索は、ジャンという男に冒険者の情報を伝えたという、"日本人の女"へと及んだ。
ジャンはマリーを、『神殺し』と呼んだという。
神殺し――その呼称をマリーに使うのは、日ノ神村での一件を知る者以外に有り得ない。
冬宇子達冒険者が、寒村に祀られていた出来損ないの神格を滅ぼしたことを知る者は、そう多くない筈だった。
すなわち、事件の関係者と嘆願所の人間に絞られる。

ふっと冬宇子の脳裏に、奇矯な考えが走った。
その女は、果たして、この世に生きている人間なのだろうか――或いは―――?
真実がどうであれ、フーがその女を知らぬと言うのなら、現段階でそれを確かめる術は無い。
飛躍した思考から逃れるために、冬宇子は軽く頭を振った。
そして、表情をやや緩め、フーの顔を覗き込むようにして、

「協力者はいない――って言葉、ありゃ本当かい?
 いや、別に、この期に及んで疑ってる訳じゃあないが、陰謀の影に女あり、なんて言うしね。
 まァ、協力者なんて類の者じゃあないのかもしれないが、
 あんたが後生大事にしてるっていう幼馴染――…の、絵姿に、是非、私もお目に掛かりたいもんだね。」

大陸の古書やアラビアン・ナイトには、絵の中に魂を封じ込められた美女の逸話がある。
鳥居の話に聞いた、写真以上に生々しい生気を発していたという美人画に、
冬宇子は、一方ならぬ興味を抱いていたのだった。


【ブルー君に罵ってごめんねの会話】
【フーへの質問
 ・兵の居ない拠点とか避難所の無い、王都の空白地帯は何なのか?
 ・嘆願所に遺跡保護の依頼を出したのは、フーなのか?
 ・亡国士団について
 ・絵姿の美人に会わせて…いやいや、見せてくれない?】


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