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【大正冒険奇譚TRPGその6】

52ブルー・マーリン ◇Iny/TRXDyU:2013/09/02(月) 22:20:22
>「見たか毛唐!誰がビビッているかもう一度言ってみやがれ!!」

「!……」

あぁ、そうか…と、ブルーは思う
彼は今、後悔していた

(俺は…やっぱ『上に立つ者』よりは『前に立つ者』なんだなぁ…)

と、ボンヤリと考えながら冬宇子の言葉を振り返る

>「何を迷っている――怖いのか――だって?フザけるんじゃないよ!このガキが!!
 ジンの言っていた通りだ……あんたは子供だ。自分を省みることも出来ず、何を怖れるべきかも知らぬ愚か者さ!
 あの男をけしかけて……もしも、あの男の身に、取り返しのつかぬ事が起こったら、どうするのさ?!
 責任取れんのかい?!
 なァにが船長だよ!あんたは、人の上に立つ器じゃないね!
 あんたの下らない根性論に振り回されて、命の危険に晒される船員どもが気の毒でならないよ!!」

(…やっぱ俺、親父の血は薄いよ……指揮官はやっぱり俺には向いてないね)

と、自分を嘲笑う

「ク、ククッ、ククク…」

今、彼には一つしか見るものはなかった

ジンの指の動きだ
ただ、ただ、それしか見えてない、ただ、それの『動き』だけを…見ていた

今の彼の表情を見たものは、一瞬だが動死体と見間違うだろう、それほどに青白く、生気がなかった
だが動死体と違って、感じるものがある…ただ一つ、…殺気、ただの殺気
その殺気の『形』は…ひどく歪んでいた
殺気にも種類がある、もっともよくみられる殺気は射抜く殺気だ
標的を定め、その標的を殺す、相手を震わせる殺気
それが通常の殺気の形だ
だがブルーの『今』のまとっている殺気は違う、それはまるで…
いうなれば…ネズミを狙う猫、イタチを狩るタカ…シカを狙うライオン、そして…人を狩る悪魔のようであった…

ツァイの出す剣状結界
常人であれば一瞬で切り刻まれる者

乗ろうとすればすぐに消え、着地した瞬間に切られる、そんなツァイの攻撃を避ける手段は、彼にはあったか?

…ない、ないならば…足場を作ればいいのだ

「……行くぞっ!」

その瞬間、彼はツァイの結界にまた乗った
当然、乗る前にその結界は消える


その瞬間を彼は狙った

「…ふっ!」

術であれ、なんであれ、消える際にはラグがある、同時に痕跡も
彼は一瞬だけ爪先だけを乗せる、一瞬でも乗せるだけでいいのだ…だって…

「…」


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