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【大正冒険奇譚TRPGその6】

51◇u0B9N1GAnE:2013/09/02(月) 22:18:50
(豚の真似だぁ?んなモン誰がするか!後でテメェにさせてやるぜボケ!
 何を知りたがってんのか知らねえけどよぉ〜!
 答える意思を見せりゃ簡単には殺せねえだろ!んでもって!)

ダーが素早くマリーの両腕を掴んだ。そして――

「ぶひゃひゃひゃひゃ!間抜けが!これでもう俺の首を締めたりなんか出来やしねえぜ!
 力比べなら負けっこねえもんなぁ!このまま後ろにぶっ倒れて!テメェを押し潰してやるぜ!
 俺の首を掻っ切るだぁ!?やれるモンならやってみやが――」

――次の瞬間には、彼の首には短剣が刺さっているだろう。
双篠マリーが左腕に装着する篭手は、手首の動作一つで仕込み短剣を展開出来る。
腕を掴まれたままでも、彼の首を突き刺すくらい容易い事だ。

「げぼっ……がっ……あ……?」

一瞬、ダーには何が起こったのか分からなかった。

(な……あ……熱い……!?首が……!刺しやがったのか……!?
 どうやって……じゃねえ……!このままじゃ……やべえ……!)

掴んだマリーの腕を強引に引き剥がし、投げ飛ばす。
壁か地面に叩きつけてやるつもりが、力が入らなかった。
首から短剣が抜けて出血が加速する――どの道、刺されたままでいる訳にはいかない。

(まだだ……!まだ何とかなる!傷口の上の部分だけを重くすりゃあ……傷は閉じて、出血は……)

止められない。刺された頸動脈は片側だけとは言え、完全に断裂している。
外部への出血は止められても、内部――気道への流血が増えるだけだ。

「ぶ……がっ……う……ごっ…………ひ……」

自らの血に溺れ――呼吸が乱れる。術の精度が落ちる。傷口が塞げない。
ダーが膝から崩れ落ちる。

(血が!血が止めらんねえ!立て……ねえだと……!)

ダーは地面に倒れ伏し、藻掻き、呼吸を詰まらせ――挙句の果てに失禁までしていた。

(やべえ!やべえ!やべえ!このままじゃ……まさか……!この俺が……ま……)

ダーが縋るように、首の動きだけでマリーを見上げた。
絶対の強者を気取っていた彼が今、豚のような有様で地に転がって、糞尿に塗れて死んでいく。
それはただの豚畜生よりも、ずっと惨めな死に様だった。


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