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【大正冒険奇譚TRPGその6】
50
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◇u0B9N1GAnE
:2013/09/02(月) 22:18:26
白に染まり切った視界。何も見えない。
音も聞こえない。心臓の音が煩わしい。
ふと――白霧が揺れた。
「そ……こだぁああああああああああ!!喰らいやがれッ!!」
がむしゃらに突きを繰り出す。
空を切る、霧が揺れる――暗殺者が動いたからか、それとも彼の突きの余波か。
それすら分からない。乱れていく呼吸を整える余裕すらない。
そして――突然、背後から組み付かれた。
女のものとは思えない膂力で首が締められる。
(や……べえ……意識が……首を締められて……もう何秒経った……?飛んじまう……)
締め方が的確だ。気道ではなく頸動脈を確実に圧迫している。
脳に血液が供給されないと――人間はものの十秒ほどで意識を失ってしまう。
>「一撃で仕留めようと思ったが気が変わった。お前は苦しんで死ね
後悔して死ね、詫びて死ね、口いっぱいに敗北を噛み締めて死ね」
だが、不意に首を締める力が、極僅かにだが緩んだ。
>「この短い間、お前に二度も負けた。
二度も虚をついて攻撃したが、どちらもダメだった。
正直焦ったよ。自分のやり方が通用しないんだからな
だから、余裕が無い中必死で考えた、どうしたら逃がさずに殺せるか
これが答えだ。こうやって完全に密着してしまったら重さなんて関係なくなるからな
重くなって道連れにしようとか考えても無駄だ。その前にお前の首を掻っ切る」
>「今お前の命は私の気分次第だ。生きたいか?なぁ生きないかぁ!?
だったら、四つん這いになって豚の真似をした後で、私の質問に答えろ
お前は自分の意思でここまで来たのか?違うならこと細かく話せ
さぁてどうする?やるか?やらないのかぁ?やらないならこのままシめるだけだ」
――どうやらこの女は、自分に屈辱を与えねば気が済まないらしい。
(……この期に及んで、しみったれた事しやがって!馬鹿が!)
まだ勝てる。本当ならばもう負けているなどとは、ダーは考えない。
最後の最後に詰めを誤るのは負け犬の特徴だし、やはり自分は生まれついての勝利者だった。
傲慢な彼は、ただそう考えるだけだ。
苦悶に歪んでいた彼の口元に、薄汚い喜色が滲む。
「が……分かっ……た……答える……から……」
答えるも何も――彼は誰かに従ったり、頭を垂れたりはしない。
自分がこの世で一番強いと思っている底抜けの間抜けだからだ。
垂れさせられる事も恐らくないだろう。
彼は自分の力さえ正確に把握出来ていないのだ。
そうしなければならない状況でも、自分の勝利を疑えないに違いない。
例えば――今のような状況でも。
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