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【大正冒険奇譚TRPGその6】
48
:
双篠マリー ◇Fg9X4/q2G
:2013/09/02(月) 22:17:34
意識は全て拳だけに集中していた。
虚を突かれ焦るダーの反応も目には止まらず、ただ只管に向かってくる拳を見つめ
自身が振るう拳を硬め、細かく機動を修正しながら、それを迎え撃つように打ち出す。
思考はただそれだけを打ち抜くことだけしか考えない。
気が遠くなるほどの長い刹那の中、マリーの拳は真っ直ぐそこへ向かっていく
だが、しかし、ダーの拳はまるでそれをあざ笑うように遠のいていく
完全に空振りで終わったと理解した瞬間、間延びしていた時間が戻りマリーは直様思考を切り替える。
ダーはどうやら、鳥居の攻撃を喰らって吹っ飛んだように見えたが…見合わない。
あの鳥居がぐちゃぐちゃになっているほどの衝撃を受けたはずなのに
ダーはダメージは受けているようだが、未だに戦える状態だ。
ここから考えられることは一つ、確実にさっきの攻撃が失敗したということ
しかし、マリーは落胆していない、先程まで打つ手が無かったと思っていた相手となんとか殴りあえる
ということがわかったからだ。
加えて、相手は今手負いだ。勝ち目は少しずつ見え始めているという確信がマリーを奮い立たせる。
「臥薪嘗胆はこの国のことわざだろ?まさか、知らないのか
確かにお前の言うとおり、敗北を甘んじて受けるような奴は負け犬だ。
だが、真の勝利者とは敗北を糧にし勝利に繋げる者のことだ
敗北をその程度の見方でしか考えないお前は負け犬よりも敗北に近い」
そう言い放ってマリーは再び構えた。
「お前が半死人に手を出すなら、私はそれを狙うお前を殺す
だから、お前のような人のなりした豚の守りはいらない、さっさとかかッ…」
突如感じた重さにマリーは思わず膝を尽きかけた。
それがダーの術によるものであるのは直様理解した、しかし、この状況ではどうすることも出来ない。
体液が染み付いている衣服を脱げば、いくらかマシになるだろうが、そうする間は無い。
(イチかバチかに賭けるしかないか)
態勢を何とか保ちながら、マリーはダーを睨む。
真っ向から挑むのはこの状態では無理だ。唯一隙を伺えるとするなら
やはり、ダーが鳥居を攻撃する瞬間しかないだろう。
確かにその手は一度失敗した。だが、それ以外に逆転の一手は無い。
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