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【大正冒険奇譚TRPGその6】
47
:
倉橋冬宇子 ◇FGI50rQnho
:2013/09/02(月) 22:16:53
フー・リュウは、冬宇子達を『ある場所』から引き離すために、使いを依頼し、映し身の符を通じて監視していた。
そして、協力者のツァイに、殺すことを命じた。
營目術の影響下にあったツァイは嘘を吐けない。彼が事実を誤認していない限り、これらは事実なのだ。
フーの方が一枚も二枚も上手だった。冬宇子は、彼の思うままに騙され続けていたのだ。
戸惑いと混乱は怒りに変わっていく。
けれど、どれほど悔しさが募ろうとも、遠隔地にいるフーに影響を及ぼす術を、冬宇子は持っていない。
出来ることは、この戦場から、フーの存在を除外することだけだ。
冬宇子は、紙人形を頭から二つに引き裂き、足元で燃える炎の中に投げ入れた。
次いで、ツァイに向き直り、声を上げる。
「りた・のここ や・な・む・い よ・み・ふ・ひ―――べるふ とらゆらゆ べるふ!」
治癒符を精製する際に込める祝詞を逆さまに読み、効果を打ち消す『さかしまの呪言』だ。
ツァイに渡した治癒符の効能は、超常の力で、魂――霊体を『振る』ことによって起こす生命力の向上。
『振る』われた霊体は、生命力を『奮る』い起こされて、治癒力を昂める。
あの治癒符は、冬宇子の祈念を媒介に、常世(とこよ)の神の加護を得て、超常の力を引き出している。
ならば冬宇子の祈念を以って、反作用の効果を発揮することも出来るのだ。
ツァイの腕――正確には、腕のあった場所から流れ落ちる鮮血を眺めて、
冬宇子は、さらに、印を組み呪言を唱える。
「鎮大災伏!」
冬宇子の身体を覆うように、不可視の円蓋が出現。
炎の侵入と熱気を防ぐ。
「霊護結界だよ。随分と見縊ってくれたようだが、私にだってこれくらいの結界は作れるんだよ。
あんたほどの術士なら直ぐに見抜くだろうから、種を明かしておくが、
効果を持続させる為には、印を解けないし動けもしない。
不自由な結界だが、あんたの剣みたいな結界を弾く事くらいは出来る筈さ。」
すさまじい笑みを浮かべ、挑発の視線で、冬宇子はツァイに問い掛ける。
「さて、どうする?
ご自慢の結界も、飛び道具も使わずに、どうやって私を殺すのさ?
まずは、私に印を解かせて――それから、絞め殺すのかい?それとも殴り殺すか?
動けば余計に出血する。私が殺されるのが先か?それとも、あんたの意識が無くなる方が先か――?
生死をかけた我慢比べになりそうだねえ!」
とはいえ、冬宇子は、ツァイが先に倒れたならば、手を尽くして彼の命を救うつもりでいた。
彼自身がそれを望んでいないことは判っている。
ツァイは、悔悟に満ちた人生の終着を、この戦場に求めている――"彼の後ろにいる女"が、そう言っている。
だが、そんなことは、知った事ではない。
フーと対峙する前に、まだまだ彼には語ってもらわねばならぬことがある。
ツァイがフーの配下となった経緯とは――?亡国師団が呪災において成した役割とは――?
呪災発生の首謀者はフーなのか――?そして、呪災は、何の為に、どうやって起こされたのか――?
彼には彼の願いがあるように、冬宇子にも叶えねばならぬ願いがある。
互いの願いが相容れぬものならば、どちらかが相手の願いを断ち切って、自分の願いを叶えるしかないのだ。
冬宇子には、ツァイの想いを踏み躙っても、知らねばならぬことがあった。
【フーの紙人形を焼き捨てる】
【治癒符の反作用呪文で効果を打ち消す。剣状結界を防ぐ霊護結界を張って、ツァイを挑発】
【霊護結界は、物理的および霊的な攻撃を弾きますが、生きている者の侵入は防ぐことはできません】
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