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【大正冒険奇譚TRPGその6】
41
:
武者小路 頼光 ◇Z/Qr/03/Jw
:2013/09/02(月) 22:13:15
剣状結界が静かに伸び振るわれる
「そんなもん出してもよぉ!今の俺には止まって見えるんだよ!
気を込めりゃこんなもん……!」
達人の振るう剣閃ではない。
老人がなぞるだけの速さである。
獣眼の頼光には言葉通り止まって見え、ブルーがしたように気を込めた手でならば掴むことも造作がない。
が、そこははやり頼光である。
如何に優れた機能、力、術を持っていたとしても重要なのは使い所、使い方。
そういった意味ではただ力を得ただけの頼光と、十分な年季を積んだツァイには雲泥の差があった。
結界の剣閃を掴んだと思った手は空を切り、消えた剣状結界は頼光のこめかみあたりで再構築されたのだ!
「なぁあああ!?」
刀身が消えてすり抜けるなどとは全くの想定外!
慌てて身を縮め剣閃をやり過ごそうとしたのだが、あまりにも間がなさ過ぎた!
それと同時に放たれる神気の炎。
だがそれは気弾というにはあまりにも弱々しいものだった。
ツァイの覚悟に気圧され、剣の消失と再出現にあわてたため気は拡散してしまい、小さな火の玉になってツァイの足元に落ちていくのだった。
が、それでも十分な効果を発揮するであろう。
ツァイの足元には蔦が破った床、結界に裁断された大量のウッドチップ。
それらが風によって程よく混ぜ合わされている。
そして何より、アルコール度数の高すぎる酒が先ほど大量にばらまかれているのだから。
小さな火の玉はそれらに火をつけ一気に燃え広がる。
炎の余波はツァイの導着を舐めて駆けあがろうとするだろう。
一方こめかみあたりに突如再出現した剣閃を身を縮めて躱そうとした頼光は、黒髪を舞い散らしていた。
恐るべきは剣状結界の切れ味か。
頼光の頭は河童の様に切られ頭頂部には何も残っておらずツルっとした地肌が露出していた。
頭部が切り取られるよりは……とは頼光の場合は一概には言えない。
頭頂部から生えていた牡丹の芽も切り取られていたのだから!
「…………ぎゃがっ!」
がくがくと震えた後、小さな悲鳴と共に両目両耳鼻口の七孔から血を吹き出し倒れる頼光。
微かに動いていることから死んではいないようだが、ショックで気絶したか動けないか。
指は手も人のものに戻り、あとから見れば眼も人のものになっていることに気づくだろう。
頭の牡丹を切り取ったことにとって、苗床としての進行が止まったのであろうか?
いいやそうではない。
より凄惨な方向への転換でしかないのだから。
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