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【大正冒険奇譚TRPGその6】

37◇u0B9N1GAnE:2013/09/02(月) 22:11:00
 
 
 
「――生還屋はん」

「あん?なんだよ」

あかねと生還屋は、君達の戦いを見守っていた。
街の構造上すぐに隠れられるような場所はなかったので、いるのは一つ前の曲がり角だ。
すぐに駆けつける事の出来る距離ではないが、援護しようと思えば出来ない事はない。

「……マリーはんと鳥居はん、勝てるよね?」

「ハッ、知るかよ。オメーと違って俺は周りの警戒で……」

「生還屋はん」

僅かな声色の変化――生還屋があかねを見る。
彼女の眼は希望的な答えが欲しくて生還屋に縋っているようなものではなかった。
むしろ「何か答えを見つけ、それがあっているのかを確かめたい」と言った眼だ。

「……勝てるだろうよ。アイツらがそれに気付いてりゃの話だがよ」

あかねの表情に僅かに喜色と安堵が浮かぶ。
だが直後――何かが破裂する音が聞こえた。
火薬じゃない。むしろ水の詰まった風船を地面に落としたような――振り返る。

「――っ」

音源は鳥居だった。
凄まじい速度で地面に直撃した鳥居が、『飛び散っている』のが炎に照らされ遠目にも見えた。

(あ……あかん!アレじゃ鳥居はんは回復するのに精一杯や!
 炎を操る余裕なんてない……!
 もしそんな事をすれば……鳥居はんは回復出来ないまま死んでいってまう……!)

それは正しい事であり、間違いでもあった。
生と死の狭間、紙一重の断行――危険とは、生き残る為にむしろ必要になる時がある。
その事を、あかねは理解出来ていないのだ。

確かに吸血鬼の力を使わずにいれば、君は死ぬだろう。
だがそれはすぐにではない。僅かながら、猶予が存在する筈だ。
その間であれば、君は炎の神気を使う事が出来る。


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