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【大正冒険奇譚TRPGその6】
25
:
双篠マリー ◇Fg9X4/q2G
:2013/09/02(月) 22:03:00
鳥居が身を挺してダーの攻撃を捌いている中、マリーはダーの動きを観察していた。
鳥居が躱したダーの眼前に迫ろうともマリーは微動だにしないほど全神経を集中して見ている中
マリーはあることに気がついた。
「(拳の速度にムラが出始めている)」
一見、同じ速さで打ち出しているダーの拳だが、よく見てみるとその速度にムラが出ているのが分かった。
ただ真っ直ぐ打ち出した場合は、その変化は微妙であるが、上下に打ち出した場合、その変化は顕著に出ている。
上に打ち出した場合は、初速が早く、インパクト直前にガクンと遅くなる。
下の場合はその逆で、初速が遅く、インパクト直前に加速する。
ここでマリーの脳裏に閃が走る。
「(そうか、奴は自身を軽くしているから、あの体躯で動ける
だが、過剰に軽くしたことによって、気流の影響を諸に受ける
奴の動きが遅く感じたのは、この周りを囲む鳥居の炎によって発生した上昇気流によって
発生した浮力がやつの動きを阻害しているからか)」
どうやら、鳥居も同じことに気がついたらしく、ダーに向かって火を放った。
だが、それを読んでいたかのようにダーは鳥居の炎を利用し、カウンターを仕掛けようとするが
それをやめ、間合いをあけるだけに留めた。
「(感情のままに動くやつだと思ったが、多少自制することは出来るようだな)」
あくまでもダーの目的は、行動不能になった自分らの保護だ。
ろくに動けなくすることはあっても、殺してしまっては元も子もないからだ。
このような状況でもダーは未だに「手加減」を意識している。
そう思った矢先、その希望的考察も危うくなってきた。
手の内が明かされたのか、先程まであったダーの余裕が失われ、闘気を感じる。
危うい状況ではあるが、それだけダーが追い詰められているということでもある。
次の瞬間、ダーが動く、鳥居に向かって砂を投げつける。
目くらましの後、また接近しての連撃かと考えた刹那、眼前に巨体が迫る。
完全に先手を取られたが、先ほどとは状況が違う、ダーの手の内も弱点も知り得、存分に動きを見た。
全神経を集中してダーの打撃に対処する。
「舐めるなぁ!」
皮膚を切れ、衣服が契れながらもマリーは紙一重でそれを躱す。
何度か打撃を躱した後、身を屈め、拳を固める。
マリーはダーと打ち合いをするつもりだ。
勝算は十分にある。ダーの打撃は驚異的なものだが、その威力は当たる直前に自重を重くしたことによるものだ
つまり、体重が軽い状態で打ち出した拳の威力はそれよりも劣るはずだ。
そこに全力で拳を打ち込めば、ダーのプライドごと拳を破壊することも不可能ではないはずだ。
刹那、ダーを見上げるマリーの視界に鳥居の姿が見える。
鳥居による上からの攻撃、マリーは好機と捉える。
ダーの多少なりとも鳥居に向けば、自身の反撃が通る確率は増すし
気がつかなければ、そのまま、鳥居の攻撃が通る。
「もらったぁ!!!」
暗殺者として鍛え上げてきた肉体を全て使い、文字通り全身全霊の一撃をダーの拳めがけマリーは放った。
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