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【大正冒険奇譚TRPGその6】
22
:
倉橋冬宇子 ◇FGI50rQnho
:2013/09/02(月) 22:01:08
冬宇子は、ふい、と、ブルーから顔を逸らし、ツァイに歩み寄った。
擦れ違い際に、頼光に囁きかける。
「何処かに術士がいる……"風"を読んで。
お前には木行の才がある。体内に居るモノの力を借りずとも出来る筈だ。」
ツァイは意識を回復しているようだった。横たわる男の腹を跨いで、腰を下ろす。
この体勢ならば、蔦を切られても直ぐには動けまい。
「女をその気にさせて、『言えない――教えられない――』なんて、焦らしてばかり。随分卑怯じゃないのさ。」
上からツァイの顔を覗き込み、蔦まみれの右手に、かろうじて握られていた鉄杭を取り上げた。
蔦を操作して、剣印に近い形に結ばれていた左手を開かせ、渾身の力を込めて奪い取った鉄杭を振り下ろす。
金属の楔が肉厚の掌を貫き、地面に固定した。
「おイタは駄目よ!亡国士団の旦那!
私の望みは、あんたの命じゃない――情報さ。大人しくしててくれる限りはね。」
腰帯から抜いた懐剣を首筋に突きつけ、片手で道士服の合わせ襟を乱す。
「ツァイ・ジン―――!あんたって、本当に魅力的よ。
あんたが、昔、気の強い恋人に見捨てられたのはね、きっと、あんたが煮え切らなかったせいさ。
今だってそう。殺す気でいながら、私らが死ぬとは思ってない。あんたは迷ってる。
だから真実を話せないんだ。」
冬宇子は、懐剣で自らの指先に小さな傷を付け、露わになったツァイの胸に文字を描いていった。
「生憎と、私は、そんなに強い女じゃないが、あんたを導いて口を割らせるの事は出来るのさ。
傷ついて動けぬ相手に、營目の術を掛けるくらいの事はねえ!」
『營目(えいもく)』とは、自らの氣を他者と同調させ、意のままに操る呪法。
胸に記した血文字は、常ならば符に刻む筈の呪文字。
符を使わず肌に描いたのは、風の影響を回避する為だ。
「今度は私の質問にも答えてもらうよ!――――我が血に於いて命じる!令!走弃口!!」
身体の『筋』を表す薬指を曲げ、舌口を表す中指と薬指を真っ直ぐに伸ばして両手をつき合わせ、印を結んだ。
ツァイは熟達した結界師だが、ブルーの攻撃による意識喪失から十分に回復してはいない今ならば、
術の支配下に置ける可能性がある。
そして、この状況は、戦いを監視している道術使いにとっても、甚だ不都合な筈だ。
道術使いは、必ず仕掛けてくる。ツァイが戦闘不能となれば、姿を現すやもしれない。
隠れたツァイの協力者を炙りだすための戦術だった。
しかし、これは、単身では取れぬ戦術だ。
背後を任せられる戦力――洞察力に富み、機敏で、腕の立つ、味方が居なければ成り立たない。
冬宇子は、あれほど罵りながらも、ブルーや頼光を、戦力としては信頼していたのだ。
【倒れたツァイに、拷問紛いの意地悪をして、營目の術をかける】
【術にかかれば、あら不思議、いろいろ喋っちゃいます。身体拘束付きの自白剤みたいなものと思って下さい。
風使いを誘き出す戦術だったりも】
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